我が名は、光の忍者!
周が起床する。
『♫S!A!T!UR!DA!Y!NIGHT!S!A!T!UR!DA!Y!NIGHT!』
まばゆい朝日の中で、周が歌唱式の目覚まし時計を止める。
「目覚めのベイシティー・ローラーズは最高だぜ、金曜日だが。支度して学校行くかー」
周が寝床の脇を見下ろす。
「って、こいつが居たか」
周の隣で、きよが腹を出したまま寝息を立てていた。
「大人しく留守番してろよ!」
「早く戻るのじゃー」
周は二階の窓から手を降る、きよの声に送られながら、通学路へ赤鸞を走らせる。
(シュウちゃーん)
「お、稀人か」
「さっき、家に誰かいたの?」
「いや」
「そう」
新生淡路の中心市街の最も高い摩天楼に立って、遥か彼方の周達を鳥瞰する人影がある。
白い上着、黒い
「雇い主からの情報以上の傑物。さて。この光の忍者の術中に、どう嵌め込むか。光の忍者に出し惜しみは禁物さ。飛竜!お前の逆鱗にムチをくれていくぞ!」
光の忍者が姿をくらませた。
「それでは、『青春期と青少年』についての小論文・或いは随筆、まずは周くんから発表!」
「はいはいと。案ずるより産むが易し。思春期
「周くん、素晴らしいね!」
「シュウ、さっき褒めてたの誰?」
「窓から、いきなり顔出して来た奴か?三階だぞ、何やってんだあいつ」
(しかも飛び降りて、足の指先十本を活用して分散させつつ衝撃を全身に伝えながら、植込みの土盛りの
「隣の組の響彼方君だって。体育でボールを取りに来てたらしいね」
「帰り掛けにまた来るってよ。妙な奴に見込まれたもんだぜ」
「どないするん?」
「響くん、先週の日曜のお昼に、駅前に居たでしょ?」
「その日は舞鶴市にツーリング行っていたから、他人の空似だと思うよ」
「えー、でも私が見たのも、響くんみたいに、小顔で、サングラス掛けてて、上着は白の革ジャンで、下には黒いの穿いてたし」
「あはは。格好を真似される事が多いんだよね」
「響くん、オシャレでモテそうだもんね」
「真似されてどんな感じ?」
「いいと思うよ。青春にはテーマが多過ぎるくらいだから、自分でどんどん新しい着こなしを考えていけば良いよ」
(光忍法。これぞ
響は、
「髪先尖っていやがるが、
(ふふふ)