バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

02

「いや!!!」

 女子高生ABCが悲鳴をあげる。

「ねぇ、君たちに選択肢をあげる。
 ここから飛び降りるか。
 それとも殺されるか……」

「生きたい。生きたい。生きたい。
 なんでもしますから。なんでもしますから。なんでもしますから」

 女子高生Aがそういって手を合わせる。

「飛び降りる?
 もしかしたら助かるかもしれないよ」

 13の言葉が誰よりも冷たい。

「助かるわけないじゃない!」

 女子高生Bがそういった。
 女子高生Cが恐怖で失禁する。

「あーあー漏らしちゃた怖い?」

 女子高生Cが目に涙を浮かべ懇願する。

「なんでもしますなんでも。
 だから、いのちだけは……」

「うん。だから飛び降りたら?」

「嫌だ、怖い……」

 女子高生Cがそういって震える。

「お金ならあります。
 100万くらいなら貯金あります」

 女子高生Aがそういって涙を流す。

「100万か……
 それなら君たちを売ったほうがお金になりそうだ」

「え……」

「日本の女子高生とか海外に売れば高く売れそうだね」

「そんな、私はまだ……」

 女子高生Cがそういって13の方を見る。

「なんでもします。貴方に尽くします。
 だから海外に売らないで……」

 女子高生Bが13の手に触れる。

「そうだね。売らないよ。
 殺すから」

「いやいやいやいやいやいや」

 女子高生Aが涙をボロボロ零す。

「こんなことを言っているけど結弦くんどうする?」

「え?僕?」

 結弦が驚く。

「うん。君は被害者だからこの子たちの生死の選択を選ばしてあげる」

「殺すのはかわいそう……」

「優しいね」

 13が微笑む。

「あ……」

 女子高生ABCの顔に明るさが戻る。

「じゃ、好きな子を選んで」

「え?」

 13から放たれた言葉の意味を結弦には理解できない。

「殺すのもいいし……犯してもいいよ。
 ペットにするのもアリ。
 一番キライな子を選んでもいい。
 一番好きな子を選んでもいい。
 その子を人質にして、他のふたりを口止めをする。
 別に3人ペットにしたいならしてもいいよ。
 恨み言もあるだろうから、殴ってもいい。
 ナイフで顔を傷つけてもいい。
 なにをしてもいいよ」

「そんな……」

 結弦はこの3人をどうしたか。
 そんな言葉は思い浮かばない。

「優しいね」

 13は再びそういった。

「なんでもします」

 女子高生Aが結弦の目を見つめる。

「そうだね。
 じゃ、こうしよう。
 今からアピールタイムにしよう。
 結弦くんを一番喜ばした人にだけ生きる権利を与えよう。
 まぁ、結弦くんが望むのなら3人生かしてもいいけどね。
 さぁ、アピールして楽しませてあげようよ」

 13の言葉を聞いた女子高生ABCはどうしていいかわからない。

「いや、いいよ」

 結弦はそういって首を横に振る。

「どうしてだい?この子たちじゃ満足できない?」

「うん」

「そうか……
 じゃ、殺そうか」

 13がそういって銃口を女子高生Aの方に向ける。

「いや、いや、いや……」

 鈍い音が4発響く……

 結弦の意識もそこで途切れた。

しおり