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 ――アンゲロス市役所前

「ここか、愚かなる者の住処は」

 モトフミがそういってため息を放つ。

 するとアンゲロス市役所の装甲が一気に破壊される。

「な、なに?」

 一花が、慌てて外に出る。

「女……
 見たことのある顔だな」

「貴方は、モトフミ!」

 一花が構えるよりも先にモトフミが動く。

「宿子と共に滅びろ!
 愚かき者よ」

 モトフミがそういって一花の腹部に一撃浴びせようとした。
 それをウクレレで男が防ぐ。

「ピロキ!貴方どうしてここに?」

 するとピロキが歌う。

「なんでだろー?なんでだろー?
 なんでなんでだろー?
 お腹に子どもいるのにお腹を狙うのなんでだろー?」

「どうせ殺すのだ早いほうがいいだろう?」

 モトフミがそう答えるとピロキがいう。

「君、最低だね」

 13がその言葉とともに銃を向けためらうこと無く銃弾を放つ。
 そして、それとほぼ同時に亜金がプレゲトンでモトフミの背中を切り裂く。

「効くと思うか?
 愚かだな」

 モトフミが気迫で亜金の身体を吹き飛ばす。

「不意打ち作戦失敗したじゃないの」

 プレゲトンが怒鳴る。

「大丈夫。
 まだ戦え――」

 亜金が、そこまで言いかけたとき喉を抑えて苦しみだす。

「ゲルンガか。
 遅かったな」

 モトフミが笑う。

「こんな奴ら。
 主ならすぐにでも倒せるだろう?」

 ゲルンガがそういうとモトフミの方を睨む。

「ゲルンガ、モトフミさまに不敬であるぞ?」

 フィサフィーも現れる。

「きゃはっはははっは!あたしもいるわよ!」

 そういってクレイジー・クレイジーが釘の銃弾を一花に向かって放つ。

 その前に厚い壁の男が現れる。
 オーだった。

「僕の脂肪がぶるるんっと唸る。
 お前を倒せととどろき叫ぶ!」

 オーが、そういってクレイジー・クレイジーの釘の銃弾を弾きながら叫びを続ける。

「な、なに?」

 クレイジー・クレイジーが戸惑う。

「お前を殺せととどろき叫ぶ!
 愛と!宿命と!絶命の!
 絶対必殺滅殺フィンガー!!!!」

 オーが、クレイジー・クレイジーの頭を鷲掴みにする。

「あ、あんたはいったい!」

「お前に答える名前はない!
 デス・エンド!!!!」

 オーは、クレイジー・クレイジーのそのまま破壊した。

「この感覚……」

 オーが、モトフミを睨む。

「藁人形が死んだな」

 モトフミが嬉しそうに笑う。

「仲間が死んでそんな顔ができるのか?」

 オーが、やせ細った身体でモトフミを睨む。

「主は脂肪を力に変える能力だな。
 人形程度なら殺せる能力だ」

 モトフミがそういって亜金の方を見る。

「こちらもひとり殺らせてもらおうか」

 そういってゆっくりとモトフミは亜金に近づく。

「身体が動けないっすか?」

 ピロキが慌てる。

「我の毒ガスにかかれば主らなど瞬殺だ。
 だが苦しみながら死ぬのもいいだろう?」

 ゲルンガがそういうと一発の銃弾がゲルンガの頭に命中する。

「弾丸はターゲットに命中」

 座来栖が現れる。

「貴様は……」

「時間がない莉奈。
 もう気が済んだか?」

「なにを言っている?我が名はゲルンガ」

「違う君は莉奈さ……
 フィサフィーの呪いで見にくい獣にされた弱虫な女の子」

「我は……我は!!!!」

「モトフミさま。
 お早めに座来栖を殺さねばなりませぬ」

「そうだな」

 モトフミが座来栖に腕を向ける。
 するとその手が切り裂かれ燃え尽きる。

「俺もいるんだぞっと」

 灰児が大鎌でモトフミの腕を切り裂いたのだ。

「うん、本当にやるとはすごいね」

 新一が拳でモトフミの身体を吹き飛ばす。

「亜金くん、苦しかったね……
 今楽にしてあげる」

 裕也が、亜金の頭を撫でるとそのままモトフミの方に指を向けた。

「ぐあ……?」

 モトフミが苦しみだした。

「む……」

 フィサフィーが、その場から離れようとする。

「逃しませんよ」

 いずみが、フィサフィーの前に現れる。

「いずみ、裏切る気か?」

 フィサフィーが目に魔力を込める。

「貴方に朝は訪れない」

 いずみが目を赤く光らせフィサフィーの身体を真っ二つに切り裂いた。
 フィサフィーが絶命した。

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