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 ケーキを食べたり、紅茶を飲んだりしているうちに時間が過ぎてゆく。そしてお会計する時がやってきた。店員さんから伝票をもらい、自分が飲み食いした分のお金を彼に渡す。おごってもらうわけにはいかないし、最初からそうしてもらう前提でいるわけではないから。けれど彼は受け取ってくれなかった。
「3つ下の子にお金出させるわけにはいかないし、俺が出すよ」
私は彼の言葉に甘えることにした。



 カフェを出て、その周辺をぶらぶらと歩く。腕を組んで歩いてほしいという彼の要望にこたえて、恥ずかしいけれど腕を組んでみる。ひと気のない川沿いに着いたとき、私は彼に告白しようと思い立ち止まる。
「そうくんに言いたいことがあるの。文句じゃないからね?」
私の言いたいことを察した彼は、目を見て
「いや、ここは俺が……。きょうデートしてみて、もっとお互いを知りたいなって思った。だから……付き合ってもらえる?」
と告白する。私の返事は「はい、よろしくお願いします」だった。

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