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するとそのとき、
【それならよかった。
月末になるけど、カフェでケーキ食べない?】
とデートのお誘いがきたのであった。
【え、いいの? 行こう!
そのカフェってどこにあるの?
あとお金はいくら持っていけばいい?】
うれしさと驚きもあり、質問責めになってしまったけれど
【☆☆ってとこで、最寄り駅は*○。
お金はいいよ、3つも上だから】
そうくんは優しい返事をくれたのだ。お金はいいよと言われたけれど、全額おごってもらうのはさすがに申し訳ないし年齢差はあれど学生同士だから割り勘の方がよいのではと考え千円札を5枚ほど持っていくことにした。
 また、ダメ元だけれどこんなわがままも言ってみた。
【向かい合わせは恥ずかしいからカウンターか横並びがいいな】
こんなわがままに対しても彼は
【いいよ。顔のぞき込みながら話す】
と横並びやカウンター席をいとわない様子。このひとはどこまで寛大で優しいのだろう。あれ以来バイト先で彼に会っていないのに、彼のことを好きになりかけている自分自身に気づいた。

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