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第13幕 六人の神子

1
「何なんだ?俺達を集めてしたい話って」
星蓮によって集められ、光輝が口を開く。
「ええ。ちょっと知っておいてほしいことがあってね。……私が話したいのは、神界の神子達のことよ」
「!!」
星蓮が言うと、それに反応して聖羅が身体を震わせたが、それに構わず話し始めた。
「神界にはそこにいる聖羅以外に後五人神子がいたの。力の質はそれぞれ違っていて、立場上での違いもあったけどね」
「聖羅様以外に五人?聖鈴様と天華様には少しだけお会いしたことがあったけど、あと三人いらしたのですか?」
「……ええ。最も後の三人は、滅多に上層部から出ることはなかったから」
神蘭が聞いたことに聖羅が答える。
「そう。……天華が対魔神族、聖羅が対魔族、聖鈴が対神族……この三人は有事の際、それに対応する軍人も兼ねていたから、軍の者達との交流も兼ねてそれなりに自由を許されていた。でも、後の三人は違う。光鈴、天奏、光麗はその力の質から、あまり自由を許されていなかった」
「……それが今回のことに何か関係あるのか?」
「いいから、聞いていなさい」
口を挟んだ莉鳳に、星蓮はそう返した。
「光鈴は強い治癒能力を、光麗は浄化能力、そして天奏は全ての力を知っている訳ではないけど、様々な力を持っていたわ。……私が今、あなた達にこの話をしたのは、この話がこれからの戦い……、それと恐らくだけど、封魔の裏切りにも関係があるからよ」
その言葉に舞達はそれぞれ近くにいる者と顔を見合わせた。
「……どういうことですか?」
「神族の皆は知っていると思うけど、天華、光鈴、聖鈴、光麗はかつての戦いで命を落としたの」
「六人中、四人も一つの戦いでか?」
「ええ。……そして、ここからは本当に上層部の数人しか知らない話よ」
星蓮がそこまで言って、一度言葉を切る。
「……聖羅以外に生き残った筈の天奏は、神子をやめて中央を出たことになってるけど、……本当は私達を裏切り、魔神族に寝返ったの。その際、聖鈴を手に掛けてね。……そしてもう一つ、光鈴と光麗、その二人を手に掛けたのが……封魔よ」
「!!」
その言葉に誰もが目を見開いた。
「……とはいっても、その時の彼は正気ではなく、ある人物達の言いなりにしかなれない【人形】だった訳だけど」
「……な、何、それ……」
舞は思わず呟いた。
「……彼が正気に戻ったのは、全てが終わった後。……その時の記憶が残っている封魔に魔神族のことを知らせ、向こうにつくように仕向けたのは神帝。……まぁ、彼の行動を決めてるのは彼自身でしょうけどね」
「で、それが全員に知っていてほしいことなのか?」
「……ええ。でも、これだけじゃないわ。……麗玲の転生者が麗香なのは確定済み。そして、恐らく舞……、あなたが天華の転生者」
「私が?」
「そう。それで確認したいのだけど、舞、麗香が連れて行かれた時、あなたの探し人とも再会したのよね?」
「うん……」
「それ以外に誰かと接触した?」
聞かれて、首を横に振ると、星蓮は溜め息をついた。
「……星蓮様、花音が何か?」
気になったらしい神蘭が問い掛ける。
「……僅かにだけど、光鈴の気配を感じたの。……これがどういうことなのかまではまだわからないけれど、もし、天華や麗玲のように転生していたのなら」
「その転生者が、先輩……」
「可能性はあるわ」
「だとしたら、姉上は……」
「……前世の自分を殺した奴といることになるのか……」
光輝と夜天が複雑な表情で顔を見合わせる。
「……まぁ、彼女にその記憶はないし、封魔も気付いていないでしょうね」
(……私が神界の神子?麗香の前世、麗玲と戦った天華の生まれ変わり。そして、先輩が……封魔に殺された神子の……)
そう思った瞬間、頭がずきりと痛んだ気がした。

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