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十三話

 気分が悪いのでと少し席を外し、僕と兄上は話し合いをする事にした。

「竜虎呼兄上。どうしましたか?」

「兄弟食べる、良くない」

「……彼らとは、兄弟ではありません」

「兄弟。戦う。学ぶ。遊ぶ。兄弟」

 兄上は、つたない言葉で必死に僕に意思を伝えようとする。

「…………」

 しばし悩んだ後、兄は告げた。

「神官課程。神官はこういう時、どうするんだ?」

 まっすぐに見てくる瞳。それに、僕はとても驚いた。
 兄に、人の道を問われることほど衝撃的なことはないだろう。
 でも、僕は神官になりたかった。
 神官になりたかったんだ。
 それは、どうしてだったか。
 こんな時、いくら嫌いだからってクラスメイトを食べてしまえなんて言える人が神官になる? ふざけてる。
 
「力なんて……いらないって思ってたはずなのに……!」

 一体、いつからだったか。勉強の日々が辛くて、辛くて、苦しくて。いつしか余裕がなくなっていた。
 きゅっと涙をふき、兄上を見上げる。

「彼らを助けます。でも、僕の能力は雷で確定しています。なので兄上、力を貸してください」

 何度か違う言葉で言い直した後、兄上は頷いてくれた。
 さあ、これから入れ替わり劇が始まる。


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