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第二話「初めてのDEATH! それでも私達は迷宮の果てを目指す。」②


 ウラガン大迷宮の外に自然発生した街。

 ルドラルフの街。
 
 そこの中央広場は、今日もごった返していた。
 今日も一人また一人と迷宮で倒れ力尽きたものが強制送還されてくる。
 
 皆、一様に暗い顔をしているのは、誰もが皆、いわゆる死に戻りだから。
 これもまたいつもの光景。
 
 一人で仲間の後を追って、ダンジョン再突入とか普通に自殺行為なので、誰もが仲間の帰りを待っているようだった。
 
 ……そんな冒険者たちにまざって、所在なげにしていた白い服の小さな少女の姿を見出した。
 胸の十字のワッペンは回復を得意とする聖職者のクラス、プリーストを示すもの。
 
 やがて、空間が揺らめき……今度は、黒と赤のメイド服の少女が姿を現す。
 
 出てきた場所が悪かったらしく、広場の中央の噴水へ派手な水しぶきと共に落ちてくる。
 プリーストの少女が慌てて、自分も濡れるのも構わず、メイド服の少女の元へ駆け寄る。
 
 なんともバツの悪そうな顔をしながら、差し伸べられた手を取るメイド服。
 
 よくある光景ではあるのだけど……彼女達は、周囲と比較して明らかに浮いていた。
 
 なにせどちらもミニマムボディの幼女。
 更に、もう一人……今度は黒服の幼女が転移してくる……そして、ぱったりと倒れこむ。
 
 どうやらメイド服と白服の仲間だったようで、二人が慌てて駆け寄り、メイド服が抱き起こす。
 黒服は何故か親指を立てると実にいい笑顔で笑った。
 
 そして、何故か三人でハイタッチ! どうやら、階層攻略自体は上手く行ったらしかった。
 PT全滅と引き換えに、守護者を撃破し一歩前進……チームワークの勝利……そんなところなのだろうと伺えた。
 
 ……とまぁ、すごく赤の他人が見ているが如くなんだが。
 この視点は、我が不可視の使い魔……飛天の眼の見ている光景だった。
 
 こいつらさ……なんか、すごくやり遂げた感出してるんだけど……。

 第一層の守護者相手にして、全滅とかどうなの? 
 
 ロゼとゴブリンファイターの一騎打ち自体はロゼのほうがスペック的に上だから、楽勝ムードだったんだけど。
 ゴブリンアーチャーの奇襲で、リアンちゃんが即死。
 それで、冷静さを欠いたロゼは落とし穴に向かって全力疾走しダイブ。
 
 最後は、ルーシュとゴブリンアーチャーの一騎打ちになって、壮絶な打ち合いの末相打ち!
 とは言え、守護者を倒したには間違いないから、一応クリア扱いにはなるんだけどさ。
 
 これ……ガーディアン戦の基本を練習するための戦いだったはずなんだけどな。

 ロゼとか、レベルも高いしそこそこいい装備とかさせてたのにさ……なーんで、あんなあからさまな落とし穴に落ちるかね?

 今んとこ、ツンしか見せたことない、ツンデレツインテロリ鬼女……実は結構馬鹿なの? 死ぬの?
 
 まぁ……リアンちゃんは……想定外のアーチャーに背後からゴルゴショットされて、死んじゃったんだけどさ。

 ……なにあれ? 俺、そんなん配置してないし。
 
 と言うか……リアンちゃんも何か妙にやる気満々で、ゴブリンファイターの横合いから殴りかかろうとして、後ろから撃たれてた。
 
 なんか、暇だったからつい殴りたくなったとか言ってるよ?
 
 おとなしそうな顔して勇猛果敢すぎ……ヒーラーはただでさえ、ヘイト集中するんだから、攻撃役とかやっちゃ駄目。
 まずは、その事を理解して欲しい。
 
 リアンちゃん総評
 「もうすこしがんばりましょう!」
 
 ロゼは……何してんの? お前? 馬鹿なの?
 ……タンク系としては理想的な装備とスキル構成にはなってるはずなんだから、地味にやれ……あと、トラップ舐めんな、周り見ろ。

 「もうすこしがんばりましょう!」
 
 ルーシュは……アノ状況から本来不利な対アーチャー戦で相打ちにまで持ち込んだんだから、頑張ったほうだろう。

 だから、「まぁまぁだねっ!」
 
 とにかく……先は長い……そのうち慣れるだろ!
 
 次行ってみよう! 次!

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