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「最初にここに来てたのは私の姉の咲良。咲良が来られないから私が代わりに来たの。」

「お姉さん?」

「春小町に逢いたい?」

「逢いたい!!」

思わず力を込めて咳を連発してしまった。

「咲良も同じように咳してた。」

クスクスと笑われてちょっと恥ずかしくなった。

原田について行くとそこは小物屋さん。

店内からコンコンと咳き込む音が聞こえてきた。

カランカラン

店のドアに付いた鈴が軽やかに鳴る。

この前気づかなかったことだ。

「咲良姉ちゃん、春小町の男の子だよ。」

「え?」

店の奥から顔を出したのはこの前リボンを買った時の綺麗な人。

この前は結んでなかった栗色の髪を今は一つに結んでいる。

「もう、也実、本当のことは内緒にしといてって言ったのに……ごめんね、君から見たらおばさんだよね。」

俯き、赤面する咲良さんはとても可愛くて僕まで真っ赤になった。

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