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同窓会

6月、朝から雨が降っていた。

さがのりくはその日憂うつだった。

彼の家に一週間前、一枚の手紙が届いた。

その手紙にはこう書かれていた。

高校一年のクラスの同窓会がある、来ないか、という手紙

だった。

りくは高校一年生の時の記憶を思い出していた。

「すずきあき・・・・・・」

いまだに忘れない女性だった。

クラスで一番中のいい大切で、好きな子だった。

今日という日は、同窓会の日だった。

りくは昔の事を思い出して胸が痛んだ。

「俺は、何であの時・・・・・・素直につたえられなかっ

たんだろう・・・・・・」

りくは手紙を読んでから散々迷った挙げ句、一つの決心を

していた。

今日、あきに好きだと伝えようと・・・・・・」

同窓会は夕方の6時半に始まる。

りくは机に置いてある時計を見た。

4時2分。

りくはため息をつきながらガラスの窓に近寄って、外の景

色をボンヤリと見た。

空は暗く、雨が降るなか近所の子供たちが傘を持ちながら

遊んでいた。

こんな雨のなかで・・・・・・

りくは誰かを好きになるのに臆病だった。

彼の両親はよくケンカしていて、ある日、母親がなにも言

わずに家を出ていった。

それからりくは一人でいることが多かった。

りくは深くキズついていたが、誰も癒しではくれなかっ

た。

そうして、時がたち高校一年の時、すずきあきに出会っ

た。

彼女はクラスで人気者だった。

りくはどちらかというと、暗かった。

休み時間の時は、いつも外を眺めていた。

ある日、いつものように空を眺めているとあきが

「なに、いつも眺めているの」と声をかけられた。

驚きながらりくはなにも言えずにいたが、いつの間にか彼

女と仲良しになっていた。

そのうちクラスメートとも自然に会話するようにとけ込ん

でいた。

あきにはいろいろな事を話せた。

ある日曜日、2人きりで江ノ島というところに行った。

海を眺めながらなにも言わずに時間だけが、過ぎていっ


た。

沈黙をあきが破った。

「りく、好きな人っている」

りくはドキッとしなが本当の事をを言をうとしたが、その

時母親が出ていった事を思い出した。

りくはたまらなく不快な気分になった。

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