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マンチカン

「この猫、かわいいなあ。足短いし、よく跳ねるし」

 石田三成はガラスケースの中にいる短足の猫を見つめていた。

「三成、それ、マンチカンだよ。値札見てみろ」

 島左近が値札を指差した。

「25万8千円だと! 買えない事もないけど、どうしたもんじゃろなあ」

 ISISのリゾートバイトで原油を売りさばいたお陰で貯金が1000億円ぐらいある二人であるから、買えない値段ではない。
 安土城地下要塞での宴会を終え、豊臣秀吉、徳川家康の到着を待つ間の久々の休暇であった。

「こっちの足が長いやつだと8万円だよ、どういうこと?」

 三成は色々と物色し始めた。

「足が短いのが売りだからな。こっちのかわいいやつは35万8千円だよ」

 左近は一番かわいいやつを勧めてくる。

「欲しいなあ。どうしたもんじゃろなあ」

 三成はため息をついた。

「……あれ、真田さんから連絡が」

 左近はスマホのメッセージアプリに視線を落す。

「真田さん、何だって?」

 三成も気になって尋ねる。

「上海ディズニーランドに来いってさ」

 ということで、急遽、機上の人となったふたりであった。

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