第六話『VSノルンの妃』5/9
木葉「正明。あんたが負けたら――そうねえ。WSOPのチケットを頂こうかしら」
春樹「……ッ!」
正明君はWSOPに参加する……ッ!
なんだ? 遊びとして? ということは遊びで百萬円を支払える能力があるという事。或いは、別の目的が……?
正明「じゃあてめえもそれ相応の物は置けよ」
木葉「当然よ」
春樹「……」
仮にも、CKだぞ。
それを相手に、この口ぶり。
どうしようもないバカでなければ、この自信は一体……。
春樹「……」
そうか。
彼は風雪木葉がハリボテだと見抜いている――!
そこで僕、紛いなりにも日本最強とCKを同時に倒したとなれば、知名度を上げるにはうってつけだ。
先日も言っていた。『竹原正明に敗れましたと言え』といった内容を。
この場にはちょうど共生新聞の記者もいる。
彼の目的こそわからないが、これは絶好のシチュエーション。
木葉「あとあんた、このあたしに八百長と言ったわね。本来は埋められても文句は言えないけど、それもベッドに乗せるってことにしてあげるわ」
それは一時間もかからず、二階堂春樹は気付く事になる。
――その仮説は何もかも間違っていた事を。
正明「つーかさ。八百長してないって言うってことは、オレが用意したトランプでやっていいよな?」
木葉「もちろんよ。ただ時間ないからサクッと終わらせるわ。持ち点10,000点のBB1,000/SB500でやるわよ。カードもあんたが配りなさい」
正明「ヒヒヒ」
バーカ!
結局勝負をするのは三人。
それは野試合にしてはあまりにも豪華なカードだった。
春樹「よろしくおねがいします」
実力的に負ける気はまるでない。
ちょっとだけ二人のカードを見たら適当に負けて花を持たせるつもりだった。
それもそのはずJPSP保有者。三富士よりも二階堂。
日本NO1プレイヤーと言われる正体、この男こそリジェクト殺しのピーターパン。
正明「よろぴくー」
従来の博徒ができないテーブル外での駆け引きに強いのがこの男。
その証拠に、こいつらはカードの仕込みをやすやすと受け入れた。
博打という意味では温室育ちのポーカープレイヤーを凌駕するのが竹原正明。
木葉「配りなさい」
結果としてその小さな女の子。少女の名に相応しい見た目こそ、ある意味何よりの騙しだったのかと――否、気付いていたとしても対策などは打てない。
世界最強の称号を持つCK保有者。
運命を手中に収める"ノルンの妃"と呼ばれる小さな小さな少女。
その見た目に反して圧倒的な運で全てを踏み潰す重戦車。
即ち、風雪木葉。


