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第六話『VSノルンの妃』3/9

春樹「よく見たらそのスーツかっこいいね。どこのメーカー?」
正明「ッハ。思ってもねえこと言ってんじゃねーよ。スーツなんて見てもなかっただろ」
春樹「えー、あはは。実はあんまりよくこういうのってわかんないんだよね」
目も良い。飾りじゃなくて本物のポーカープレイヤーか。
正明「あー、そうだ。あの後ラシェルに絡まれてたな。ポーカー勝負したのかよ」
春樹「そうなんだよ! なんか急に怖い人達に囲まれて、怖くなって逃げ出したんだよ。いやー、この区域って本当にぶっそうだよね」
――ウソだね。
で、ウソって事を伝えてくれている。優しいなー二階堂さん!

レイナ「レイナ知っているよーん! これセルタのオリジナルスーツでしょ。安くていい物だよねー。レイナも何着か持っているよ」
正明「まーな! オレほどの富豪ならこれぐらい……」
正明「……安くていい物?」
春樹「あー、セルタか。うんうん。あっち安くて良い物多いよね。小物は僕も結構買うけど、へー。オーダースーツなんてのもあるんだ」
正明「……」
20渋沢。
20渋沢だぞ。20……鏡望代の命200体に相当するんだぞ?
それが安くて、いい物……安くて……

正明「ぐ……ぐぐぐぐ……」
レイナ「んー、マーサーどうしたの? なんか苦しそうだよ?」

モチなら……ッ!
こいつらモチだったらローキックからマウントポジション取ってやりたい放題しているのに……!
奥から最後の一人、面識のない眼鏡女性がやってきた。

工藤「共生新聞社の工藤と申します。今日はよろしくお願いします」
正明「……新聞?」
レイナに春樹……あー、確かに対メディアと考えればそういう面子か。
工藤「風雪木葉の八百長疑惑というのは聞いた事がありますか?」
正明「あん? 八百長?」
工藤「……いえ、なんでもありません」
正明「……」
春樹「結構有名なんだよ。風雪様ってCKって言ってね。んー、世界最上位のポーカープレイヤーの持つ称号を持っているんだ。もちろん最年少」
春樹「世界最強の称号でさえ持っていて当然ってほど勝ちに勝ってるから、あまりにも強すぎて八百長が疑われているんだよ」
正明「へー」
レイナ「すごーい。風雪様ってオセロ強いんですね」
春樹「テキサス・ホールデムね。オセロの話ししてないから」
レイナ「あははー。二階堂さんって全然ダメな人ですね」
春樹「ええ!? なんでボクいきなりディスられてるの?」
レイナ「……」
正明「……」
コホン、と咳払いをしたレイナと目が合う。
レイナ「すごーい。風雪様ってオセロ強いんですね」
正明「八百長のくせに白黒ハッキリしてるやないかーい!」
春樹「うわああああああ! ええっ!? なにこれ!? こっちの人って今みたいなフリ。フリって日常会話であるの!?」
レイナ「えー、普通ですよ。一日五回は絶対にあります」
正明「そんなん誤解するやろ!」
レイナ「……」
レイナ「今のは悪い例です」
正明「もっかいやらして! 今のは自分でも納得いかえねーわ!」
レイナ「前から思ったけど、マーサーってツッコミよりボケじゃない?」
正明「圧倒的オールラウンダーよ。ま、本職のヤツ以外にはツッコミも負けたくねーわけ」
??「――来たわね」
正明「本職やないかーい!」
木葉「誰がツッコミ総本山よッ!!!」

木葉の登場と同時に、席で談笑していた正明以外の三人は立ち上がった。
春樹「本日はお招き頂きありがとうございます」
春樹「私JPSPの二階堂春樹と申します。本日はよろしくお願いします」
深々と頭を下げる春樹を気に留めず、持っているアイスを食べる。
正明「おいバニラやめろつったろ」
木葉「うるさいわね低収入」
正明「お前絶対わざとだろっ!?」
次、まるで順番のように頭を下げる工藤とか言った女。
工藤「本日は……」
木葉「あー、いいわいいわ。めんどうよ。楽にしなさい」
正明「おっ。マジか。次頭下げようと思ったのに」
木葉「……」
ごそごそとポケットをあさぐると、千円札を取り出してそれをこちらの足元に投げた。
正明「……」
正明「…………ッ!」
人は、なんて脆いのだろう……ッ!
頭を下げて紙幣を拾った。
木葉「雑ッ魚」

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