第六話『VSノルンの妃』2/9
すっごく可愛いよね→彼氏いる→もしかして正明君が?
で、オレとレイナの関係値を自然に聞き出している……と。
こいつの場合、意図的かどうかわからないが、軽口だから何でも言えるってのを武器にしてるよな。
春樹「へー。やっぱり進藤レイナ可愛いなー。ボクも! ボクもすっごいファンだよ! 今日は会えてすっごい嬉しい。もちろん正明君もね」
春樹「あ、ってことは風雪さんとも何か関係があるのかな?」
あー、自意識過剰じゃねーなこれ。間違いなく探ってるな。
レイナ「マーサーと風雪様は友人だって聞きました」
春樹「へー、そうなんだー!」
大げさな程に驚いて見せる。
ヒヒヒ。
なーるほど。隠すつもりはないってわけね。
……二階堂春樹、か。
アクシデントには弱い自覚があり、この中学生の存在そのものが一つのアクシデントだ。
ってなると事前にある程度の道筋を考えたかったではあるが……。
正明「まーな。マブダチってヤツよ」
春樹「なるほどね。正明君はギャンブルが上手なフレンズなんだね」
生産性のない軽口。
探っている? 素なのか? 或いは本題の前フリか?
感覚的には警戒しているように見えるが――。
春樹「いやー、よく見たら正明君って良い男だよね。足長いなー。足だけで僕より大きいんじゃない?」
春樹「って誰がホビットや!」
正明「……」
レイナ「……」
正明「春樹の似非関西弁には吐き気がする」
レイナ「ノーコメント」
春樹「ほならね、お手本見せてみんかいって話しなんや」
レイナ「って誰が巨乳アイドルよ!?」
正明「お前が言うんかーい!」
春樹「あはははははは! へー、なるほど。力とか技じゃなくて、タイミングだね。ちょっとわかったよ。確かに面白いね」
春樹(本当に正明君は面白い)
何が面白いって――なんで双方に警戒しているんだか。
竹原正明。
イシュタムの繋がりのある男。
聞けばイシュタムは直下での手下を持たない。となればかなり近い位置の関係性を築いている極めて貴重な情報源。
それがキーとなるWS社を保有する風雪木葉とたまたま友人? 在るわけ無いだろう。
さらにメディアへの影響力の大きい進藤レイナとの面識もありかなり懐いているように見える。
竹原正明――キミは一体、何者だい?
『美味しく、ボクに食べられるようにね』
春樹「……」
そういえばドワロン・フォースとも面識があったな。
会話の内容からするとドワロン・フォース……今はラシェルだっけ? とにかく彼を下に見ているように感じた。
なんだ? 竹原正明は何が目的なんだ?
味方に引き込みたい。
その思いは彼と触れるほど強くなるが、物騒な事を考えるつもりはない。
藪(やぶ)をつついて蛇を出すじゃないけど、蛇ならぬ死神が出てきたら最悪だ。


