第四話『リジェクト殺しのピーターパン』4/4
薩摩真司の仲間というだけで命を狙われるケツ拭きだ。
コールドストリーク。薩摩真司のポーカーネーム。
コールドストリーク(Cold Streak)とは連敗して負けが続いている状態を表す用語。
まさに、コールドストリーク!!!
春樹「何一つ……ううううう……何一つ成果もなく……うううう、敵ばっかり増えていく……ううううぅぅぅ……」
私怨で動いている敵。
唯一金で解決が望めそうな稲村は障害の中では一番軽視できるがその程度では何の問題も解決しない。
日本最大の暴力団組織を的に回す恐ろしさ。
執念という意味ではそれ以上恐ろしいドワロン・フォース。
そして、ユーリ・デサイー。
春樹「……」
待て。
ユーリ・デサイーを送ってきた。
冷静に考えて、それはまだ春樹達の尻尾を掴みきれていないという証明になる。
こちらの計画がバレているなら、もしくはある程度でも断定できているのならば保険として速やかに"そういう人間"を送り、"処理"させるのが一番だろう。
ということは、探りにきたんだ。
二階堂春樹。或いは薩摩真司が何かを企んでいる可能性がある。
所詮そこまでとも言い切れる。
春樹「欲しいよお……欲しいなあ……くっそお……」
目的はColonyFords社の奪取。
まだまだ長い道のりだが手順こそ見えている。
人が増えれば行動範囲や資金力など増強すると同時にリスクも増える。
情報漏えい、裏切り、内部崩壊。
それを怖がった結果が今の貧弱な体制とも言える。
ジリ貧とも言えない。今の戦力では戦う事すらできない。
ギリギリのギリギリまで粘って命を失うか、リタイア宣言して国に泣きつくか。
答えをギリギリのギリギリまで見極める必要があるが――。
今はまだ、その時じゃない。
春樹「……」
やっぱ今がその時じゃない?
もうね。結構ゲームオーバーだと思うんだよね。
何より他の相手ならいざ知れず、獲物としてのColonyFords社から刺客が放たれたのだ。
春樹「……」
ポーカープレイヤーである二階堂春樹の思考力は柔軟だ。常に常識を疑う。
もし、もしもだ。
もし――刺客ではないとすれば?
そう。普通や常識で測るほどボクらは真っ当じゃない。
例えば、全く別の角度から答えを導くと――!
春樹「ユーリは、日本観光に遊びにきたんだ」
春樹「ふはははは! SUMOU!」
二階堂春樹は壊れた。
情報漏えい、裏切り。人が増えるのはリスク。
逆に人が増えなければこの様に手が回らない。
今まで通りバックに頼らず自分たちで動くとして、せめて人員は増やすべきではある。
増やすべきではあるのだが、そんな都合の良い……。
春樹「……」
脳裏に思い浮かべるのは一人の少年。
竹原正明。
あの手の命知らずの子供はほとんどが恐怖を知れば真人間へと戻る。
ほとんどが。
もし、それが薩摩真司の様に根幹が狂っていた場合……。
春樹「……」
明日、マージョリー。もとい風雪木葉との会談がある。
その時にどうにか理由をつけて同席させて……。
もし彼がこちら側の人間ならば、是非首輪をつけたい。


