582 久々のくまさんダンジョン
『姉様っそっち行きました!』シュンっ
『うん!任せて!』シャっ
『あなた!』ヒュンヒュンっ
『分かっている!』シャシャシャっ
『『『『ぎゅあーっ』』』』ばたんっ
「ふぉぉぉっ」きらきら
『すっごぉいね~』
ぴゅいきゅい『『うん』』
『『『『『すごぉい』』』』』
弓に剣に、エルフさんたちの活躍を見て目をきらきらさせてるちびっこ同盟。
今、サーヤたちがどこで何をしてるかと言うと
『あっ!デビくまがサーヤちゃんたちの方にも!』
『みんな気をつけて!』
エルフ姉妹がちびっこたちに危険を伝えると
「ふみゃああああっ」
『あっちいっちゃえ~っ』
ぴゅいきゅい『『こないでなの~っ』』
『『『『『お顔怖いーっ』』』』』
『『『『『キシャーっ!』』』』』
「ふぎゃーっちゅちにょ、みきしゃーっ」ぐるんぐるんっ
『こおっちゃえーっ』かちーんっ
ぴゅいきゅい『『やーっこっちみないでーっ』』ぼふっ
ぎゃーっぎゃーっどっかーんっ
『『ええぇ⋯⋯』』
『『お強い⋯⋯』』
エルフさんたちは自分たちも戦いつつ、サーヤたちを見て複雑なお顔⋯⋯
〖おーおーおー。すげぇな〗
『あ~あ、泣きべそかきながらずいぶんえげつない攻撃してんなぁ』
「ちゅち、にょきにょきーっ」じゃきんじゃきんっ
『風さんちょんぎってーっ』
『葉っぱ飛んでけーっ』
『『『トゲトゲぐるぐるーっ』』』
付き添いのヴァル様と牙王様が、ちびっこたちの泣きべそかいてるくせに容赦ない攻撃に若干引いてるこの状況。
そう。デビくまとは、体はもふもふ。だが、顔は半分口、歯はギザギザ、赤く凶暴に光る眼。サーヤたちちびっこ達にも容赦なく襲いかかるようジーニ様たちが作り出したダンジョンの魔物。もふもふなら見境なく抱きつきかねないサーヤに魔物とは恐ろしいものと教えるために作られたものだから後ろ姿だけならかわいいくま!
サーヤは土魔法でグルグル掻き回したり、じゃきんじゃきんと土の槍やら壁やら生やしまくり、ハクは氷、スイとモモはドラゴンブレス。フルーやフライ、妖精トリオたちも風魔法やら植物魔法やらでやりたい放題。
『『すごーい』』
『あなた、あれは詠唱なのかしら?』ひゅんひゅんっ
『さ、さあ?違うようだが⋯⋯』キンキンっ
サーヤたちの魔法に戸惑いを見せるエルフさんたち。でも、攻撃は止めない。
みゃあっ『こーうんきにゃーっ』ごうんごうんっ
『きゃははっ!水鉄砲なのだーっ』どしゅっどしゅっ
『『『か、かみなり、ばりばりっ』』』ぴしゃんぴしゃんっ
ココロや小鬼ちゃんたちも頑張ってます。姫ちゃんはのりのりです。
『『『⋯⋯』』』ドッカンドッカン
もちろんサーヤたちを守るゴーレム戦隊たちも。
ここはサーヤたちの誕生日プレゼントとして送られた『くまさんダンジョン』。ただいま二階層。
一階のかわいいくまさんたちとは後で遊ぶ約束をしてやってきました。それと言うのも数時間前⋯⋯
「ふみゃああああっ」ごろんごろん
『ふむ。サーヤは今までも名前をたくさんつけてきたのであろ?どうやってつけておったのじゃ?』
朝ごはんを食べて、控えた名付けにごろんごろん転がってなやむサーヤ。その姿を見て天界樹様がゲンさんたちに聞くと
「ふぎゃあああっ」ごろんごろん
『今まではな?サーヤがじっくり観察して、サーヤのスキル【異世界辞書】や俺や凛さんの記憶から、俺たちが住んでた国や世界の言葉や植物なんかからつけることがほとんどだったな。まあ、中には勢いでつけたような名前もあるけどな』チラッ
畑のある方角をチラッと見るゲンさん。そこには畑仕事を手伝うゴーレム戦隊ごーちゃん、れーちゃん、むーちゃんたちが⋯⋯
『なるほどの。これだけの人数、大変であったじゃろうしの?早い話、見た目からつけるにはネタ切れといったところかの?』
『いや、言葉は調べれば沢山あるだろうけど、でもまあ、ネタ切れか、間違ってはないな?』ぽりぽり
ゲンさんは頭かきながら同意。天界樹様は何やら考え中。
『⋯⋯ふ~む。ならば、今までとは違う付け方をしてみてはどうかの?』
「う?ちやう?」きょと?
『違う付け方?』
天界樹様の言葉にゴロンゴロンしてたサーヤも動きを止めて天界樹様を見上げた。
『そうじゃ』にっこり
天界樹様、良い笑顔!
「うにゅ?」なんだろね?
『なんだろな?』
『あらあらまあまあ、天界樹様?具体的に教えてくださる?』
『それはじゃのぉ』にっこり
意味深なニッコリで天界樹様が提案した策。それが⋯⋯
『『ハッ!』』ザシュッ
『『えいっ』』しゅんしゅんっ
遠距離から弓を使い、かと思えば近接では巧みに剣を使い戦うエルフさんたち。その姿を見て
「ふぉぉぉ」きらきら
『かっこいい~』きらきら
ぴゅいきゅい『『えいえいっ』』しゅっしゅっ
『『『『『えいえいっ』』』』』
目をキラキラさせて、剣の真似をするちびっこ達。そう。天界樹様の狙い。それはエルフさんたちの戦いぶりから名前を付けては?ということでした。
『ほほほっ愛いのぉ。じゃが、ほれ、子らよ。敵がこちらに来たぞえ。サーヤ、土だけではなく他の妖精たちも手を貸したくてうずうずしておるのじゃ。次は風魔法を使ってみてはどうかの?ほれ、さっきの土のミキサーじゃったかの?あれを風でやってみるのじゃ。このようにの』ごおおおっ
『『『『『ぎゃーっ』』』』』びゅーんっ
『これならできそうであろ?』にっこり
天界樹様が笑顔でお手本。でも
『あらあらまあまあ、つむじ風?竜巻かしら?デビくまが飛んでったわねぇ』
優雅な笑顔には似合わない威力。おばあちゃんが遠くに飛んでったデビくまさんたちを手を振って見送ってます。
「ふおおっ!やっちぇみりゅっ!かじぇ、ごーごーぐりゅんぐりゅんっ」ごぉぉ
サーヤもさっそくまねっこ!
『『『やった!初仕事だよ!』』』
『『『ごーごー♪』』』
『『『ぐるんぐるん♪』』』
「ちょんれけーっ」
『『『『『とんでけーっ♪』』』』』
待ってました!とばかりに風の妖精たちがサーヤに力を貸してます。もうノリノリ。ごーごーにいたってはサーヤと妖精さんたちで若干ニュアンスが違って聞こえるほど。だって妖精さんたち、拳を突き上げて『いけいけごーごー♪』って言ってます。
サーヤのごーごーはきっと強い風のこと。
『凛さん、また仕込んだな?』じとぉ
『あらあらまあまあ?なんのことかしら?おほほほほ』
『『『『ぎゅあーっ』』』』ぽーいっ
『あらあらまあまあ』
『おお、飛んでったなあ』
今度はおいちゃんも一緒にお見送り。
「できちゃあっ」にぱあっ
『『『『やったね♪』』』』
「あい♪」ぱんぱんぱんっ
無事に成功?させたサーヤと風の妖精さんたちはハイタッチ!
『いや、間違えてはないだろが、なんじゃそりゃ』
〖わははっ!いいじゃねぇか!ちゃんと発動してんだからよ!〗
牙王様はそんなんでいいのか?と眉を寄せてるけど、ヴァル様は大笑い!
『みごとじゃったの。サーヤ』
「あい♪てんにょしゃま、さーや、じょーじゅできちゃ?」
『上手にできておったぞ』にっこり
「えへ~♪」てれてれ
『うむ。柔らかいのぉ』なでなで
サーヤが頭をなでなで褒められてくねくねしながら照れてます。ただ⋯⋯
『あらあらまあまあ、サーヤ。大変よ』
「う?」
おばあちゃん、なにが?
『後ろ見てみろ。う・し・ろ』
「うにゅ?うちりょ?」そぉ~
うしろ?おいちゃんが言う通り後ろをみてみると
「ふぁぁぁ!?」びくっ
『『『『『⋯⋯っっ』』』』』メラメラ
『うわ~サーヤもてもてだね~』
ぴゅいきゅい『『もてもて~』』
『あ~あ、妖精たちが並んでるな』
『目が次は自分ってメラメラしてるわね』
『『罪作り(ね)だな』』
『『サーヤちゃんですから!』』ぐっ!
フゥ、クゥ、罪作りってなんですか?山桜桃ちゃんと春陽くんもなんで握りこぶし作って力説してるのかな?
妖精さんたち?無言でサーヤの方見てるけど、すっごいメラメラ?なんか怖いよ?なんでしゅっしゅってパンチしてるの?
『ふふ。サーヤ、とにかくもう少し進みましょうか。天界樹も今回はサーヤたちにエルフたちの戦いぶりを見てもらうことが目的なのですから、次の階層に続く階段まではエルフたちに戦ってもらいましょう』にっこり
「あい」
バートさんが言うならそうしよう!
『そうであったの。悪いのぉ妖精たち。そういうわけじゃから次の階層までお預けじゃ』
『『『『えぇぇ~』』』』
『『『『ぶーぶー』』』』
妖精さんたち、ブーブー言いながらも『分かった』って体ダランってさせてついてきてます。
『それにしても、エルフさんたち綺麗ね。無駄がない動きもそうだけど、見た目の美しさが映画俳優さんのようだわ』ほ~
おばあちゃんが頬に手をあててうっとりため息ついてます。
「あい」
でもサーヤもそう思う~。
弓を射る時の姿なんかは、え~となんだっけ?指輪を探す映画の~弓の上手なエルフさん⋯⋯あっ
「おーりゃんぢょ」
『ケビン⋯』
「うにゅ?」
『あらあらまあまあ?』
あれぇ?おばあちゃんも誰か思い出したみたいだけど~サーヤと違う人みたいだね?
『サーヤはロード・オブ・ザ・リングで、凛さんは多分ロビンフッドの方だな。こればかりは年代のちが⋯』
ギンッ!
『いや、ナンデモナイデス』たらり
おいちゃん?どうしたの?汗?
細い剣をかっこよく振る姿は~、あ、あれだ黒いマスクつけてマントつけてお馬でかっこよく出てくる~
「あんちょにお」
『アラン⋯⋯』
「うにゅ?」
『あらあらまあまあ?』
また?
『今度は思い出した映画は同じもんだけど、これこそ年代のちが⋯⋯』
ギギンッ!
『スミマセン』だらだら
おいちゃん?さっきから汗かきまくりだね。暑いのかな?
『あらあらまあまあ、サーヤ、なんでもないのよ。そうよね~やっぱりアントニオかっこいいわよね~。おほほほほ』
「うにゅ?」
よくわかんないけど
「あい。しゅっしゅっ!かっちょいい!」
『そうよね。かっこいいわよね』
あと、一緒に出てた~かっこよくて綺麗な女の人も、えっと~あっ!
「きゃしゃりん」
ぴくっ『⋯⋯』
『おお!確かにあの女優は別次元の美しさだったよな。日本でシャンプーのCMも出てたな』うんうん
「あい。しょりぇに、ぼんっきゅっぼん!にょ、おんにゃにょちぇき」はっ!
『うんうん。まるで女神降臨かのような美しさだったよなぁ』うんうん
「お、おいちゃん⋯」くいくい
それ以上は言っちゃだめだよっ言ったのサーヤだけどっ
『あの人の出てる映画はつい観ちまってたなぁ』しみじみ
「お、おいちゃんっ」ぺしぺし
だから、だめだってばっ
『ん?どうした?サーヤ⋯⋯あっ、しまっ』だらだらだらだら
「みょう、おしょい⋯⋯」だらだらだら
ぴくぴく『⋯⋯』
『ん?サーヤにゲンよ。どうしたのじゃ?顔色が悪いようじゃが?具合でも悪いのかの?』
『あっ』
「ふあっ」
天女様っ!このタイミングで出てきちゃ、だめ!
「ててて、てんにょしゃま、にげ⋯⋯」
『て、天界樹様、逃げろ、早くっ』
『ん?なんじゃ?』
だから、逃げ⋯
ゴゴゴゴゴ
『どうせ、どうせ⋯⋯』
「ふわわわわわわっ」
お、おばあちゃんがぁぁ
『りりり、凛さん、おち、落ち着け!な?な?』
『な、なんじゃ?凛はどうしたのじゃ?』
『どうせ、どうせ私はスレンダー美人よーっ』どっかーんっ!!
「う、うきゅあああっ」
『ぎゃーっ』
やっぱり爆発したーっ
『なんじゃ?なんなのじゃ!?』
『ひどいわひどいわっ!不公平よっこんなに余ってるんだから少しくらい分けてくれてもいいじゃないよーっ』シュンッ!
『ぎゃーっ!やめ、やめるのじゃ!凛!』
『ずるいわずるいーっ!よこしなさいよーっ』ぽふぽふぽふっ
おばあちゃん、瞬間移動!!
『な、何を言うとるのじゃっ!なぜ妾の胸をむしろうとするのじゃっ!やめ、やめてたもーっ』ぎゃーぎゃー
『よーこーせーっ』ぺしぺしぺしぺしっ
「ふわわわわっごめしゃいごめしゃいっ」ぺこぺこぺこ
『すまん!許してくれ!』ごすごすっ
おばあちゃんがごめんなさいっ!巻き込んでごめんなさいっ!
『うわぁ、どっかで見た光景だなぁ』
〖おい、シア。俺の後ろに隠れるのやめろよ。俺を巻き込むな!〗
〖しーっ!静かにして!仕方ないでしょ!貴方たちが一番大きいんだから!〗
シア様が気配を消すのにそりゃ必死!
『あらぁ?お姉様が大変ねぇ』のほほん
『お母様?』じとー
『嬉しそうですわね』じとー
『結葉様性格悪いにゃ。それより、サーヤちゃんとゲンさんのおでこ大丈夫かにゃ?土下座しながら変な音してるにゃ』
「ごめしゃいごめしゃい」ぺこぺこぺこっ
『すまんすまん!』ごすごすごすっ
〖師匠、ああ、額から血が。おいたわしや⋯〗すっ
『医神様、そう思うのであればご自身の涙を拭う前に助けに行かれたらよろしいのでは?』
〖バート、神とて我が身は大事なのですよ〗ふっ
『なるほど』
医神様、カッコつけても無駄ですよ。
『離れるのじゃ、凛!』
『ずるいわずるいわーっ』ぺしぺしぺしぺしっ
「ごめしゃいごめしゃいっ」
『すまんすまんっ』
『母様、父様』しゅっしゅっ
『何だか後ろの様子が』キンキンっ
『見てはダメよ』ひゅんひゅんっ
『今はこちらに集中しよう』しゅっしゅっ
『『は、はい』』
エルフさんたち背後の騒ぎが気になるものの、今は戦いに集中。それより巻き込まれてはいけないという危機感の方が大きい気が⋯
『ねぇ、お父さん。サーヤたちが言ってたのがお名前候補かな~?』
ぴゅいきゅい『『かな?』』
『さ、さあ、どうだろな?』
『もしそうだとして、そのままつけたらまたこうなるのではないか?』
『⋯⋯それは困りますね』
『どうするんだろね~?』
ぴゅいきゅい『『ね?』』
どうなるお名前?どうなるダンジョン攻略⋯⋯
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
お久しぶりです。『小さなぼくは~』をお読みいただいた方は2週間ぶりでございます。作中に出てくる映画と俳優さん分かった方いらっしゃるでしょうか?
例のごとく、インフルエンザ予防接種受けたら、ひどい咳で寝ることもできず、三連休を寝込んで過ごしました。横になると咳が出るんでずっと体は半分起こしてましたが⋯。いまだに咳は抜けきれず、やはり食生活から改善しないとだめ?それ以前に運動しろと言われそう⋯。
何はともあれ、9、10月はとにかく色々あったので終わってからで良かった。
感染症も色々流行ってますので、皆様もどうかお気をつけください。
こんな亀な更新でも、お読み下さりありがとうございます。
そして、書籍部分、ピッコマさんでもお読みいただけるようになったようです。よろしくお願い致します。


