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第十八話『凡人故の構想と特訓』5/5

マークトデックを使ってみて初めて見える課題と実物について正明は思考を巡らせた。

やはり最善はディーラーの隣。特に右利きを前提に考えると、左側の席に座れば今のままでも識別は可能。
或いはディーラーと組んで行うってのもあるけど、そんな複数人単位でのイカサマは駒も技術もまだ把握してないので今は選択肢に上がらない。

レイナ「……」
正明「ん……?」
着替えたのか。
見るとノースリーブの、恐らく番組用だと思われるチアガールの様な服を着用している。
レイナ「ほい!」
元気よく両腕を上げた。
……なんだこいつ。
レイナ「ほい!」
正明「あー……」
正明「元気玉!」
レイナ「でりゃりゃりゃりゃりゃ! ってデレゲンベーレじゃないよ!」
正明「V入賞の表現?」
レイナ「両手上げたらVよりもYじゃない?」

レイナ「ってそうじゃなくて、ほら、ほら!」
レイナ「ワキ!」
正明「わき……?」
言われて気づいたが、確かに腋が見える。
レイナ「い……」
レイナ「……」
レイナ「いいよ! 嗅いでも!」
正明「……?」
正明「ヤだよ。臭そうだし」
レイナ「え……」
レイナ「……」
正明「……」
あ? なんで涙浮かべてんのこいつ?

レイナ「ねえ。マーサーってレイナの大ファンで大の腋フェチだよね」
正明「……」
なんかムカついたのでTシャツを脱いで半裸になった。
レイナ「わ、わ……え、いきなり? へ、あ、腹筋すご……」
ボーボーと表現はできないものの、男らしい脇毛が少しはある。
正明「ふん!」
両腕をドラフト会議抽選後のように高々と突き上げる。
正明「舐めろ」
レイナ「え、無理」
正明「……」
あれ、ほんとだ。何故か涙が零れそうになってきた。

レイナ「……」
レイナ「セクシーポーズ!」
レイナ「舐めて」
正明「イヤです……」
レイナ「……」
正明「……」
正明「V入賞!」
レイナ「セクシーポーズ!」
正明「V入賞ぉ!!!」
レイナ「セクシーポーズぅ!!!」

望代「……何やってんだお前ら」
人生最初で最後になる、望代の帰宅を喜んだ瞬間であった。

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