第十八話『凡人故の構想と特訓』4/5
正明「んじゃ次は、そのテーブルの両端にカード滑らせるように投げてくれ」
レイナ「こたつの端な~!」
そしてオレはレイナの隣に移動する。
△【イベントCG000・ガン見のマーサー!】
レイナ「……ん?」
正明「あ? 配れよ」
レイナ「ん、うん……」
レイナ(……ん、近くね? 近いよマーサー。え、これセクハラ5秒前的な?)
正明「……」
なるほどな。
ディーラーの隣。この席さえ確保できれば、こいつの指以外の柄は全部確認できる。
正明「……」
よく見えないな。もうちょい近づくか。
レイナ「……」
レイナ(うわー……あはは、マーサーすっごい胸見てる……)
レイナ(ちょっと、え、ちょっとちょっと! えー。ええええー。ガン見! ガン見ですよ御代官様!)
正明「まあまあだな」
レイナ「ご立派ですよ!」
正明「はあ?」
レイナ「あああ、うんうんうん。いえいえいえ」
正明「もうちょい見てるから続けろ」
レイナ「う、うーー。うん……」
レイナ(見てるとか。続けろとか。えー、うわー、え? 脱がせるよりもチラリズム派みたいな? ヤバ。とんでもない変態さんだ)
レイナ(えー、待って待って。今日ちょっとマーサーとミラーホープちゃんとちょっと楽しくお喋りできたらなー、ぐらいで寄ったんだけど)
レイナ(あれ、レイナちゃん食べられちゃう? それも普通にじゃない方法で狼さんに食べられちゃったりするの?)
正明「もうちょい角度変えて。右の腋空ける感じで」
レイナ「ワキ!? そこいる!?」
正明「は? いるから言ってんだろ」
レイナ「……あ、あはははー」
レイナ(そうか……男の子ってワキはいるのか……うんうん。指とかウナジとかワキとか、レイナあんまりわかんないな……)
レイナ(え、ヤバ。処理してたっけ? そりゃしてるけど、えっと、最後にスタジオ入ったのが11時だから……)
正明「……チッ」
レイナ(処理してなかったーーーーー! やっちゃったーーーー!)
レイナ(ううん。落ち着いて。落ち着くのよレイナ。マーサーさんは変態さんなら逆に処理してなかったケースを待ち望んでいた可能性も……ってどっちでもイヤじゃーーーーー!)
正明「……」
ずい、と胸を見る角度を変えてきてる。
レイナ(マーサー忙しすぎいいいいい!)
正明「チッ……はぁ~ダメだな」
レイナ「レイナダメなのッ!? 自信あったよ!」
正明「あー、そっちは別に。そこそこいんじゃね?」
レイナ(やっぱり処理してなかったーーーーーー!)
正明「ちょっと一服するわ。水いるか?」
レイナ(い、いいいい、いらない!)
正明「レイナ?」
レイナ「いらない!」
正明「……?」
とりあえず換気扇へ移動する。
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色々実際にやってみわかった事が何点かある。
ディーラーは友達同士でやるようなカードを置く配り方はしない。
客。プレイヤーに向かって中央の席からカードを投げる。
投げるというのが比喩表現でないように、それもくるくると舞うようなプロの名に相応しい方法。
もちろん見えない。
よって着眼するポイントはディーラーがカードを持つ手。もしくは配られた先。
そのディーラーの手も指で隠れたり持ち方の角度で識別するのは難しい。
となるとカードが配られた後が基本的な戦術になる。
で、2メートル離れれば絶望的。
ポーカーテーブル自体の横幅のサイズが2メートルを超える。
そこに椅子とスペースを駆使して考えると3メートルに近くなる。
ディーラーはその中央に居る事を考えても長く見て1.5メートル。
つまり、ディーラーの向かい。中央に座らなければ全てのプレイヤーのカードは識別できなくなる。
加えて、配られて即座に手で隠す人は見えない。
さらにさらに、投げ終えて着弾したカード1枚1枚を覗いて識別し、暗記するのはかなりの鍛錬が必要で、加えてそんな視線の動きをすれば即バレる。
正明「……」
サングラスで誤魔化せるか……。
だとしても、鍛錬が必要な事には変わらないが。


