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第十六話『上等なカレーに刺し身を乗せる暴挙』1/3

◆【繁華街】
ラッキーイベント突入!
なんと今日は!

正明「我らが大親友四光院斬ちゃんが夕飯を奢ってくれまーす! いえーーーいい!」
木葉「いえーーーい!」
木葉「って二人しか居ないわよッ!?」

そうなんだよ。
あのクソハゲ人呼び出しといて、集合場所に来ないとか意味わかんないし。

木葉「もう。斬は信じられないわ。この風雪木葉を待たせるなんて大統領でもありえないわ」
正明「本当だよな。木葉ちゃんすげー可哀想じゃん」
正明「じゃ、先食ってようぜ」
木葉「ふぇ?」
正明「あん? 入ろうぜ」
木葉「……」
木葉「ねえ、それおかしくないかしら?」
正明「ん?」

木葉「……」
正明の当然のようなリアクションに一瞬考えるが、首を横に降った。

木葉「だって斬が誘ったのよ。待ってるわよ」
正明「は? なんで?」
木葉「なんで……なんでって……だから、今日は斬が誘ってくれたんじゃない」
正明「だからとっとと食って伝票置いて帰ろうぜ」
木葉「……?」
木葉「あんた……頭おかしいの?」
正明「なによッ!?」
木葉「ってそれ、斬がもし現れなかったらどうするのよ」
正明「え? それぐらい払ってよ……」
木葉「なんであたしが奢る前提なのよ!? おかしいでしょ!?」
いやおかしくねえだろ。木葉すっげえ金持ちじゃん? 金持ちオブTHE金持ちやん?


斬「すまない! 遅れた!」
正明「お。噂をすれば……オレは待ってようって言ったんだよ」
木葉「あんたねえ……!」
と、そこには慌てた様子の四光院斬。

それは良い。
斬が遅刻というのは珍しいが、約束通り到着したのだ。
些細な事は別に良いのだが、

――問題はその横に居る女。

【立ち絵:望代】

木葉「ふん。全くよ。この風雪木葉を待たせるなんてとんでもないわ!」
木葉「こっちの小さいのは誰よ?」
望代「……」
うわあ……。
斬「あ、あはは。紹介するね。ボクの友達で、鏡望代。モチって呼んであげると喜ぶよ」
望代「は?」
斬「……」

あー……これあかんヤツや。

木葉「ふふん。変な名前な女ね」
望代「――は?」
木葉「あたしは風雪木葉。あんた達の学園長で日本人よ」
望代「……」
望代「くふふ」
そろそろいいか――まるでそんな感じでモチにスイッチが入るのが伝わった。(何も我慢していない)
望代「おいおいおい。こんなチビが学園長なわけないし」
木葉「……」
木葉「は?」
望代「思いっきり金髪だしこの外人のチビ。そのくせ鼻平ぺったいとかダッサ。え、なにこの眉毛? 自作? なあ。ちょっと眉毛取ってみろよ」
木葉「――は?」

うむ。流石望代。
スケスケVS木葉とは異なる。
初対面の相手を煽るという行為に関してほぼ満点の内容である。

もとい、これは鏡望代の基準からすれば様子見。ジャブどころかジャブのフェイントに過ぎない予備動作、否、むしろ拳を突き合わせる挨拶とでも言おう。

木葉「おい、このチビ。あたしが風雪木葉だと……」
望代「はあ~~~~~~? それが一番驚きなんですけど。フーセツ? キョ~ノ~ヒャ? ゲイシャ? ニンジャ? オーウ、ベリーバッド」
望代「え、冗談抜きでそれ名前なの? センスなさすぎだし。どうしたの? 大丈夫? モチ心配だし。外人さん。頭大丈夫?」
木葉「おい――ッ!」
斬「ご、ごめんね木葉! モチはまだ日本語が不自由で!」
正明「たしかモチさんってインドネシアの人だっけ?」
望代「ハイアダッー!(こんにちは)」
知ってるのかよ。
木葉「おいチビ。お前だ寸胴」
望代「……」
ビクン、とこちらも面白いように煽りに対して身体が反応する。
木葉「この風雪木葉に謝罪しなさい」
正明「そうだ! 座高1メートルの寸胴が! ネズミをミキサーでかけた口臭して迷惑なんだよ。クフフとか笑い方気持ち悪いし! 語尾に"し"を付けるの意味わかんないし!」
斬「マサ、やめて」
望代「……」
斬「えっと……モチ。あの、この二人は、その。少し日本語が不自由で……」

もしかして一番頭おかしいのってジャンじゃねーの?

斬「と、とにかく行こうか! 入ろうよ、ね!」
望代「その眉g……」
斬「今日はボクの奢りだから!」
望代「……」
正明「……」
奢りだから。
一転して二人は四光院斬の傀儡へと変わる。
木葉「……どうしたの急に? ちょっと斬。まだこいつらあたしを侮辱した謝罪が……」
斬「はいはいはい、話しは中で聞くから、入ろうよ!」

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