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第十二話『深夜テンションの早朝特売』3/3

◆【スーパー】
望代「うおおおおおおおおおおおお!!!」
正明「しゃあああああああああああ!!!」
そこにはEDの男もうつ病の女も一瞬で興奮するレインボーに錯覚する魔法の文字。

【鶏肉 100g 28円】
正明「3kg買っても1,000円行かねえ! はははははは!」
望代「10kg買っても竹原の金! 鶏肉! とににく! とにいく!」
正明「ほんで薬味もー!」
望代「お菓子もー! ぐえっ!?」
正明「……すぞ」
望代「ぐ……ッ!」

斬「ちょ、ちょっと待って二人とも!」
正明「あん? なんだよ肉。ヒヒヒ、ジャン肉なの?」
斬「二人とも、これ! このネギ中国産だよ!」
正明&望代「…………」
コイツは何を言っているのか。

望代「あ? ネトウヨらしくいきなり差別かよこのチョッパリ」
正明「当たり前だろ。宝くじ当たってないオレが国産なんて買えるわけねーだろ」
斬「……」
斬(あれ、ボクがおかしいの? あれ?)

望代「たまぎょ! たがぎょ、9,2円!」
正明「ほいほいほい! はい30個! 親子丼もいける!」
望代「しゃあああああああああああ!!!」
正明「しゃいいいいいいいいいいい!!!」
混雑のスーパーの中で熱いハイタッチが交わされる。


正明「フハハハ!!! 気分が良い! 貴族! 今、オレはまさしく貴族の買い物をしている!!!」
望代「ビッグラマンも買って」
正明「……ろすぞ」
斬「……」
100円もしないお菓子で殺さないでよ……。

それより冗談抜きでモチの様子がおかしい。本人曰くゲーム三昧で40時間眠っていないようだ。
望代「スーパー暑いし。くふふ。汗、止まらないし。くふふ。地面動いてるし」
斬「……」
斬「モチ。家まで送ろうか」
正明「てめえざけんなよジョン。レジ通るまでオレから一歩も離れんじゃねーよ殺すぞ。レジ通ってから死ね」
何故この男はこの程度の端金で人に死ねだの殺すなどと言えるのだろうか。


望代「おいクソ人間。てめえモチが、今弱ってるからって、調子に乗ってる……なんだっけ? あれ? 調子に?」
斬「間違いなく弱っている。今すぐ病院に行った方がいい」
望代「くふふふ! なら貸せよ。てめえのお金と保険証と――GooglePlayカードをなあ!」
斬(ああ、もう、こいつダメだ……)


おばちゃん「美味しいウィンナーいりませんかー! 試食だけでもいいですよー!」
正明「……」
望代「……」
ふらふらと、まるでゾンビのように二人は声に導かれた。
正明「うま……うま……」
望代「うぅうぅぅうぅ。なんだよこれ。この世界の飯かよ……。何日ぶりだろう……涙が、止まらな……」
望代「く……くふふふ! ひゃははははははは!」
斬「ど、どうしたのモチ……」
望代「だってこれ、くふふ、竹原と同じサイズで……ぐうぇあ!?」
望代「おい暴力探査マシーン! こいつ今良くない暴力振るったし!!!」
斬「今のはモチが悪い」
正明「あー、あとトイレットペーパーも……チッ。クソメンヘラ。てめえ2キレまでしか使うなつってるのに……」
望代「前髪ライター」
正明「うわああああああああああああああああああああああああ!!!!!! な! ななななんああん!!!??????」
斬「今のはマサが悪い」
正明「しょおおおるっぷっぷぺっぺっぺーい!」
斬「……はあ」
斬「先に進もう」
望代「くふふ、なんだよそれ。ダンジョンかよ。進んでるのは……ジョンの前が、み――」
気を失う最後の最後まで、この女は嫌味を口にしながら意識を失った。

斬「……はあ」
ボクは今日何度ため息をついたのだろうか。
ビッグラマンのチョコを3つ、自分のカゴに入れた。

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