第十一話『そのエンカウントの希少性』2/5
千尋「いらっしゃ……お前!!!」
正明「よう」
春樹「……え、なに?」
正明「昔ヤッて捨てた女」
春樹「昼間からの修羅場展開!?」
千尋「お前みたいなナンパ男と寝るわけないです!!!」
正明「誰が寝たつったよ。妄想激しいなー」
正明「なんだっけ。確かちっちーって呼んでいんだよな」
正明「チッチー」
千尋「ぐ……ッ!」
正明「ち○ちん?」
千尋「チッチーです!!!」
春樹「チッチー……え、名前?」
正明「わかんね。頭おかしいんじゃねえのこの女。ダッサ」
千尋「う、ぐ、ぐぅ、ぐぅ~~~~~……ッ!」
春樹「可愛い子だね。仲いいんだ」
千尋「うるさいです! なんですかこの中学生みたいな、お前なんて……おま、え? え?」
千尋「な、え? ウソ。なんで……え、もしかして……え、あの、春樹……さん……?」
春樹「あー、ハッハッハ」
正明「ん? もしかして兄弟?」
春樹「なんでやないかーい!」
それもう文法レベルでおかしいからな。
千尋「二階堂春樹!!!」
店内の視線が一気に集まる。
春樹「……ははは」
しかし誰だこいつはと皆が皆ラーメンに戻る。だよね。知らないよね一般人。
正明「え、ウソ、二階堂春樹ってあの……!」
正明「って誰やおまえはッ!」
春樹「あ、上手い! やっぱり本場はちょっとイントネーション違うね!」
うむ。我ながら85点と久しぶりの良いノリツッコミができた。今日のコンディションなら我がライバルの木葉とも戦えそうだ。
正明「……」
正明「あ?」
二階堂春樹だと――?
正明「君、春樹君って言うんだ」
春樹「はい! 自分春樹言います!」
正明「中学生?」
春樹「いいえ」
正明「プロポーカープレイヤーに関係する?」
春樹「なんでアキネーターみたいに聞くの?」
正明「ってお前が二階堂春樹かよッ!?」
日本最強。
知っているのは本の著者であり、最初の日本のプロポーカープレイヤーとして原点であり頂点。
そして……
――六道組がマークする要注意人物。
千尋「お前って失礼です! この御方が誰かわかってるんですか!?」
正明「てめえはバイトしてろや貧困層が」
しかし千尋は引き下がらない。
千尋「騙し討ちの底辺層が偉そうにするなんて最低です」
正明「あ? 頭の弱いなあデス子。真っ向からこのオレとやろうってのか?」
千尋「笑っちゃうですド素人。もしかして真っ向勝負なら私よりも上だと……」
正明「おおおい! 今ゴキブリいたぞ! うわ、そっち言った!」
千尋「うわ、ひぃ……う、ウソです! こいつ……こいつ……ッ!」
正明「うわあッ、そこの足元に!」
客「ひいぃ!」
正明「あん? どうした。真っ向からかかってこいよ?」
千尋「ぐぐぐぐぐ……ッ!」
春樹(うーん、この子とんでもないなあ)
とりあえず食券と無料チケットを渡して席に移った。


