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第十一話『そのエンカウントの希少性』1/5

◆【メイドポーカーにゃんだFULL】
春樹(おっぱいおっきいなあ……)
春樹「うーん……」
春樹(考えているフリしておっぱい見続けてるとかバレたらかっこ悪いもんね。ちぇ。ある意味一番有効な心理戦だよね)
そういえば世界大会ではおっぱいが大きい人がいっぱいいる。
それも皆胸元を強調させて。

ドスケベ親父と怒られそうだが、事実としてそうなんだ。
それが男の思考力を奪う目的だとすれば、恐ろしいほどに効率的に脳を破壊する目論見は叶っている。


春樹「オールインコール」
表にした手札を投げ捨てると勝利が確定する。
春樹「ありがとうございます」
春樹(真が言っていた強いプレイヤーの噂も聞かないし、どうしようかな)

結局のところ、薩摩真司を探しにやってきた土地でいきなり連絡があった。
人伝(ひとづて)ではあるが、なんでもシンガポールで巨額の金額を負けて残飯を漁ってるとか。

カードあるくせに何しているんだかまったく。

それで用もなくなったので藤堂真。
プロポーカーの同期が言っていた強いプレイヤーとか見つからないのかと適当なポーカー店にやってきたが、当然そんな都合良い巡り合わせはない。

メイドディーラー「ご主人さま強いですねー。流石プロは違うにゃん!」
もっとも、そんな本格派がこんな店に居る確率は限りなく低いだろうが。


春樹「んー」
伸びをする。長時間座っていることができない自分がプロポーカープレイヤーというのは、なんだか面白い。
そもそも自分より太っている人が平気で10時間とか座っていられる事が信じられない。タクシーとかパチンコとかITとか、みんな尊敬する。

東京在住の二階堂春樹はこちらにはあまり知り合いはいない。
いないが、今みたいにポーカー店に入れば有名人。一応プロポーカープレイヤーって事らしい。

春樹(逆にポーカーしていない人は誰もボクの事なんて知らないだろうけどねー)
ちょっと悲しいと思いつつも、まあこんなもんだろうとも思う。

色々動くにあたって有名になりすぎた。
今思うとプロを名乗ったのは失敗したのかもしれない。

でも金がなければ動けないのも事実でスポンサー様がついてくれるのはとても助かるのも事実。

唯一の知り合いと言えば同じプロポーカープレイヤーの須藤晃がこの近くで店をやっていると小耳に挟んだが……場所を聞いておけばよかった。
どうしようかな、とも思ったが時刻は昼時。
ちょうど良い場所に美味しそうなラーメン店があったので入ってみようとすると、

??「あん?」
春樹「うん?」

時折声をかけられる事もあるので、自然と笑顔で対応するのが身についているが、
正明「おおおおおおーーーー! この間ボコられてた中学生!」
春樹「誰が中学生やないかーい! ってな感じでこっちの人っぽい? ってうわ、すっごい偶然だね。あれから大丈夫だった? 骨とか折れてない?」

なんと先日一緒にボコボコにされた少年と偶然出会ったのだ!

正明「オレの台詞だわ。あー……でもほんとにな。すげー偶然。家この辺なのか?」
春樹「全然違うところ。ちょっと野暮用で足を運んだんだけど、結局無駄足になったってとこかな。これからお昼?」
正明「おう。……ん、そういやこの前、次会ったら飯奢ってくれるって言っていたよな」
春樹「やっべ、調子良い事言っちゃった。あはは、いいぞー。おじさん奢ったるで!」
正明「地元じゃないヤツが使う方言って死ぬほどうぜえよな」
春樹「あははは!」
お互いの名前も知らない二人は笑顔でのれんを開けた。

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