第十話『ユーリ・デサイー来日』
◆【関西国際空港】
世界の頂点13名の王。
通称――CK。
その一人、キングの称号を持つ銀色の蠍(サソリ)が日本降り立った。
多様な人種や思想に溢れるカナダであっても、そのあまりの強さに一部の大会では参加禁止にされる程の絶対王者。
ショーン「まさか、君がこの話しを受けてくれるとは思わなかったよ」
テキサスホールデムの頂点。
即ち億万長者になるんだが、その男はそう思わせない若者のファッションを好む。
クロムハーツやスタンリー・ゲスを愛する若々しいセンス。
逆に若作りをしているとも見える良い年齢だが、その風格は見た目に反して本物。
ユーリ「やあショーン。久しぶりだね。少し太ったかい?」
爽やかに笑顔で挨拶を口にする男。
ユーリ・デサイー。
広告や営業、スポンサーを一切行わないと有名なColonyFords(コロニーフォード)社が唯一特例でスポンサー契約を結んだのがこの長髪の男性。
ユーリ「キレイな空港だ。アジアも意外と発展しているね。日本。そうなると敵は"ジャオ"かな」
ショーン「敵は風雪木葉」
ショーン「もとい、マージョリー」
ああ、と納得して空を仰ぐ。
確かに、あの少女がもう大人になった年齢なら自分も老けるわけだとユーリは納得した。
ショーン「ジャオは中国でここは日本だが……まあ、我々にはわかりにくいか。しかし……相手もわからずよく受けてくれたよ。感謝する」
ユーリ「ボクも暇でね。CKと名乗る者は皆そのブランドの保持に忙しくて誰も遊んでくれない」
ユーリ「せいぜいバーニーと……噂の問題児ぐらいのものさ」
ショーン「ほう……! まさかお前ほどの男が"コールドストリーク"を?」
ユーリ「興味はあったけどね。残念だ。もう終わったらしい」
昔の恋人を想うように、残念そうな顔を見せた。
ユーリ「彼はバルテレミーに敗れた」
ショーン「ハハハ、よくもまあ勝負を受けるな。まあ戦闘狂なんて漫画の世界だけで現実はすぐ死ぬ。バルテレミーを相手か。まあ喧嘩を売る方も定評通り狂っているな」
ショーン「まだ大会までしばらく日程はあるが、どうするんだ?」
ユーリ「ゆっくり観光でも巡るさ。日本には興味深い人物もいる。早くお目にかかりたいものだ」
しばらく軽口で話しながらタクシーに乗り込んだ。
ユーリ「ハルトムートの居場所は知っているかい?」
ショーン「協会に連絡すれば対応するだろう。知り合いだったか?」
ユーリ「そうだね。彼とはまずお酒を交わしたい」
ユーリ「それが済んだら――会いたい人物がいる。紹介してくれ」
ショーン「日本人? 誰だ。スポーツ選手か」
それにゆっくりと首を振ってから、やっぱりそれも捨てがたいとすぐに撤回をする。
だが、ユーリの本命は――
ユーリ「――リジェクト殺しのピーターパン」
クラス保有者でないどころか世界レベルで見て大した功績も持たない無冠の帝王。
日本名――二階堂春樹。


