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第六話『お楽しみのところ……』

◆【繁華街】
治安の悪い街だとは聞いていた。
だけどそれは治安の良い日本レベルの話しであり、海外旅行を多く経験する彼女は気にも留めてなかったのが正直なところだ。

男「お姉ちゃ~ん。こんなところで何してるのー?」
奥菜「やめてください」
ナンパを軽くいなしただけ。
駅前でよくホストがやっている日常行為だと思っていたが、何故か事態は悪化した。
気づけば裏路地に連れ込まれていて……


△【イベントCG044・お楽しみを邪魔する女】
男「ねえ、ちょっと遊ぼうよ、ねー?」
奥菜「やめてください! 人を呼びますよ!」
男「あー、うるせえな……遊ぼうって行っているだけだよ?」
奥菜「ひ……」
??「――何をしているんだい?」
細身の美少年が立っていた。

と思ったがよく見てみると性を表す豊満なバスト。
女性だと考えるとかなりの長身で抜群のプロポーションだ。

男「あー? はは、正義のヒーローお出ましと思いきや、女じゃん」
斬「……」
ゴミを見るような目で相手を眺める。
相も変わらず、ここの連中は彼女が持っている刀が視界に入らないらしい。
斬として事を起こすよりは抑止力に思ってくれた方が面倒事を回避できるのだが。
斬(仕方ない――)
今日は木刀ではあるが、街の素人相手ならそれでも十分すぎる獲物だ。
一歩踏み出す。

男「今彼女とそういうプレイしているの。どっか行ってくれる?」
斬「え、あ……ご、ごめんなさい……! そういうプレイでしたんですか。そ、それはすみませんでした。そ、それではお楽しみに……」
奥菜「違います! この人無理やり私に迫っていて……」
斬「……」
考える。
斬「えっと……人に見られて助けを乞うプレイ的な……?」
奥菜「早く助けを呼んでください!」
斬「……ッ」
突発的に動きそうになったが感情を、理性で抑えつけた。
冷静にこの状況を考えた時、あらゆる可能性を考慮する。

斬「……」
小さく頷いた。
斬「でもそれもプレイっていう可能性もあると思う」
奥菜「バカなんですかアナタ!!!」
男「はい時間切れ――巨乳のお姉ちゃんも逃がさねえって」

出口に近い斬をターゲットに、男性の腕が伸びた。
――それが彼女に届く前に糸人形のように倒れた。

奥菜「あ……え……」
男「……」
男はそのまま横たわり、ピクリとも動かない。

奥菜「……」
なんなのだ、コレは。一体何が起こったんだ?

長身の女性はと言うとなんでもないように刀を腰にさした。
斬「この場所は夜一人で歩くには危ない」
奥菜「あ……」
緊張からか、ペタンと尻もちをついてしまった。
斬「……」
斬「あの、もしかしてボク、本当はプレイ中にとんでもない事を……」
奥菜「助かりました!!!」
斬「そ、そうか。よかった……」
少しズレている長身の女性だった。

なんだろう。急に倒れたけどスタンガンだろうか?
よくわからないが助かった。

斬「駅まで送るよ。立てるかい?」
奥菜「……」
コクリ、と頷くが足に力が入らない。
斬「大丈夫だよ」
優しく微笑みながら、立たせてもらうが、やはり恐怖でうまくいかない。
奥菜「あ、あの……ごめんなさい」
斬「怖かったんだね。もう大丈夫だよ」
その時、初対面の女性を王子様に見えたのは内緒だ。

斬「うーん、それなら……どうしようかな」
斬「少し、休憩しようか」
奥菜「は……はい……」
奥菜「ありがとうございます」
斬「うん」
斬(この近くで休めるところと言えば……)
あまり知り合いが多くない斬ではあるが、幸運にも知り合いのアパートから近い場所だった。

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