第三話『VSミラーホープ』3/3
当たり前の話だが、モチなんかとデートするわけもなく、飯なんて奢るわけもなく。
もちろん目的があった。
なんでこいつをわざわざ街に連れてきたかと言うと――だ。
◆【リレイズ北村】
憂「きゃー、かわいー!」
望代「くふふふ。ゆーゆーも可愛いし」
なんか予想外に仲良くなっていた。
憂「何か飲むー? お姉さん特別なワインをご馳走しちゃうぞ」
望代「オススメ~」
憂「はいはーい。憂お姉ちゃんの一番のオススメあけちゃうぞ~」
正明「……」
ヤベえヤツ×ヤベえヤツ
なんとなーく合わせてみたいとか思うじゃん。
憂「正明君はビールでいい?」
正明「頼む」
ルンルンな上機嫌で酒を作り始める。(といってもワインなので注ぐだけだが)
身長があるだけより細く見える背中から、純粋な嬉しさが伝わる。
正明「……」
北村憂を、オレは知らない。
何が好きで、嫌いで、ムカついて、喜んで。
オレと二人で居る時もそうだが、一見喜怒哀楽があるように見せかけてそれは表面にしか見えない。
つーことで変化が必要で劇薬(鏡望代)を入れてみたってわけ。
正明(ま、モチの事だ。5分持たず適当に暴れてくれんだろ)
正直北村憂の仮面の下を見る事は正明ではできないと判断した。
だからこその、この歩くプルトニウムである鏡望代の出番である。
憂「どぞですー」
望代「ん。ありがと!」
正明「……」
正明「え?」
モチが初対面でいきなりありがと……え、マジ?
すげえな憂ちゃん。
つーかオレ人生で初めてモチのありがと聞いたかも(煽りを除く)
憂「ドーーン。疲れた疲れた。それじゃあ飲もうか」
憂「かんぱーい!」
なみなみ注がれたワインを零さないように口に持っていく。
つーかワインってワイングラスにちょこっとだけ入れて回しながら好みで空気に触れさせて味をうんたらかんたらとかじゃないっけ?
憂「正明君の彼女さん凄く可愛いね。地元の子?」
望代「歩いてたらいきなりレイプされた」
憂「やーん、ワイルドー」
あー、これは相性良さそうだ。無駄に。
望代「オレの女にならないとレイプ動画アップするって脅されたし」
憂「男らしいね!」
すげえな。会話成立してんのかよ。
憂「それで今日はポーカーしに来たのかな? それともお酒だけ?」
正明「あー……」
こいつ入れてポーカーとか……あー、それねーよな。
望代「なあ。ご飯あるの?」
憂「ありますよー。何食べるー」
憂「うーん、やっぱり面倒だから出前にしちゃおうかな~」
オレの知る北村憂と変わらず、モチとの対応を行なう。
正明「……」
様子見で、なんか変化あればラッキーぐらいに思ってたからさ。
まあ、まだ時間あるし粘ってみるか。
憂「でも正明君うれしいなー。お客さん連れてきてくれて嬉しいなー」
望代「モチ金ないし」
憂「あははー。彼氏さんに頼ろー」
望代「頼ろー」
正明「殺すぞカス共」


