第二話『ヤクザの朝礼』2/2
ロク「最近、坂口が遊びに行ったらしいがのう。説教でもされたか?」
正明「あー、酷かった。つーかグッチー先輩って昭和の具現化っつーか、漢字の漢って書いて男って読んだり、頭おかしいっつーかダセえ」
ロク「ほっほ。伝えておこう」
正明「やめて」
ロク「ところで竹ちゃん。昨日、八木がやっとるバーで殺人事件があったのは耳に入っているかのう?」
殺人事件?
正明「ほー。いや、初耳」
ロク「ほむ。驚かんのか」
正明「この辺の治安考えたらまあ別に。ロクさんだって毎週でコンクリート詰めにして海にリリースしてるわけだろ?」
正明「ってわはははは! リアル海物語じゃん!」
ロク「アホ。ワシらは悪いことだけしとるイメージ持っとるかもしれんが、総合商社みたいなもんやからのう」
ロク「儲かるからなんでもやるだけじゃって危ないことだけじゃないのう。それこそペットの輸入。たこ焼き屋にたい焼きに鰻屋に……前ブームになったタピオカなんかも販売やっているのう」
それもう暴力団の意味ないよな。
ロク「話しを戻して……まだ犯人は見つかっていないんじゃ」
ロク「丹波征十郎(たんばせいじゅうろう)。竹ちゃん知っているかのう?」
正明「知らねえよ殺人犯と友達いるほうがおかしいだろ」
丹波征十郎。
頭の中でもう一度名前を確認したが、本当に初めて聞いた名であった。
正明「被害者の名前か? どっち? 加害者?」
ロク「……ふーむ。困ったのう。まだ20代じゃから竹ちゃんなら少し情報あるかもと期待したんじゃが」
正明「警察にお願いしろよ。もしもし! お巡りさん、ヤクザですが助けてください!」
ロク「ほっほ、それは面白いのう」
皮肉も軽く流された……余裕あるなこのタヌキ。
にっこりと、それを見せつけたように微笑み返した。
正明「……」
なんとなく、嫌な予感がした。
気のせいか、空気が少し重くなった。
ロク「まあの。今話した小物はさておき、この前。この街に危ないおもちゃが入ったきたんじゃよ」
ここからは、聞かない方がいい――。
正明「今日はまた随分ペラペラ喋るな。そういやこの前ハゲジャグさんのカレー屋行ったんだけど、あいつマジでハゲてて……」
ロケ「竹ちゃん」
チッ……わーったよ。諦めるよ。
ロク「ほっほ。まあ聞とくれ。竹ちゃんもどこかで交わるかもしれんからのう」
ロク「入ってきたのはそいつの右腕で、名前を二階堂春樹」
正明「……あん?」
二階堂春樹……あの、ポーカーの……。
ロク「知っとるのかえ?」
正明「ポーカーが上手いヤツだろ。オレそいつの本持ってるぞ」
ロク「本? ポーカー……そういうのもやっていたのう」
ロク「とにかく、見かけたら連絡がほしいのう。ワシもちょっとファンでな。仲良くしたいんじゃ」
ウソつけ。怖えよ。
しかし、ポーカープレイヤーと暴力団、どんな関係が……とか思ったけど、そっちがメインじゃねーならポーカープレイヤーって方がダミーで裏でヤバい事やってるヤツってことか。
Queensにいたプロはどう見ても一般人だったが、二階堂春樹……。
覚えておくか。
正明「……」
二階堂春樹を覚える、じゃない。
六道組組長が二階堂春樹を探している、という事実を覚えておくんだ。


