『ぜってー言うなよ‼︎』#1
アマンシア「そう言えば、ロドルフ先輩って、ピアスしてますよね」
レイモンド「あー、アレね」
アマンシア「レイ先輩もピアスしてますけど、あの真面目なロドルフ先輩がピアスなんて意外!」
レイモンド「俺も気になったから、聞いたことあるんだよ」
アマンシア「へー。まぁ、大きめで目立つから目に入りやすいですもんね~。で、何て聞いたんです?」
レイモンド「珍しいピアスだな。何のモチーフ?」
アマンシア「それだけ?」
レイモンド「あぁ」
アマンシア「で、ロドルフ先輩、何て言ったんです?」
レイモンド「『……祖母から』ってだけ!」
アマンシア「そっか…。お祖母様の形見だったんだ…」(さすが! 真似が上手いわ)
レイモンド「まぁ、代々受け継がれてるんだろうな。あの石、アイツの先祖が住んでた地域でしか採れないらしいぞ。確か…翡翠、だっかな~」
アマンシア「へー! 地味だけど、光が当たると透けて、綺麗だな~って思ってたんですよ。もう片方も虹みたいで綺麗な青色ですよねー」
レイモンド「あ~、カフの方ね。あっちは貝だってよ」
アマンシア「えっ⁉︎ アレ貝殻なんですか?」
レイモンド「詳しいことは知らんけど、このことは、ぜってー言うなよ‼︎」
アマンシア「な、何でですか?」
レイモンド「アイツ、ピアスの話すると、泣くんだよ」
アマンシア「えっ、ロドルフ先輩、泣くんですかっ⁉︎」
レイモンド「あーー、それはウソウソ。でも余計に喋らなくなる」
アマンシア「それって…いつものことでは?」
レイモンド「とにかく‼︎ ぜってーにあのピアスには触れるなよ」
アマンシア「そうですよね…大切な思い出の形見ですもんね。私、絶っ対誰にも言いません‼︎」