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第十三話『これぞまさにポーカープレイヤー!』4/9

◆【繁華街】
名を連ねる者達の動きは大筋は把握した。
ではどういう結果になってもシナリオ通り。と、そうはならないのがこの世界の特徴。
特にこうやって膨らんだゲームならでこそ、52枚で行なうゲームにお呼びないルール外のジョーカーが一枚混じってくる。

オーバーフロー……番狂わせをそのジョーカーが持っていくかはさておき、混じりはするものだ。

そして長い歴史の中、そのまま完走するケースも多々ある。

天才ハルトムート・アインホルンが難攻不落の蟲籠を失墜させた。
動物園の見世物だった少女が風雪コーポレーションをここまで築いた。
風見鶏だった娼婦バルテレミー・C・バダンテールは一国を潰した。

いつの時代も、大枠のシナリオ通りに進むと思った矢先に新たな芽が生まれるのを長い歴史の中見てきた。

尤も、そんなポンポン芽が出るわけではないが。

ダリア「……」
もしこの国に該当する人物がいるとすれば――。

そんなもし、と心当たりのある人物ではない。名前も知らないからこそのジョーカー。
故に番狂わせなのだが……。

一人……気になる名前。

ダリア「確か……竹原正明だったかねえ」
意味のある事とない事。両方を行なうあの人だからこそ、判断が難しい。根っからのポーカープレイヤーだからねえ。

まあ言っても子供だ。政治には関わらないだろう。
大人の世界に絡むとして、せいぜいWSOPの優勝だが……それは大金星を通り越してありえない夢物語だろう。

将来的にはわからないが、今回だけは相手が悪すぎる。
どの道日本にはまだ数年滞在予定だ。もしあの御方の言うに価する人物であればどこかで関わりが生まれるだろう。


◆【Queens】
ダリア「邪魔するよ」
客「ああああああああああああ! もう死ね! 死ね!」
千尋「調子悪いですねー」
客「チッ……おいクソ店員! てめえだカス! ビールもってこい!」
晃「……かしこまりました」

ダリア「おや、元気な客がいるねえ」

ダリアが贔屓しているQueens。ここには一人、日本のプロポーカープレイヤー須藤晃が店長を務める店である。

客「あー、もうカードが悪すぎ。あー、最悪。死ねよマジで」
晃「……ああ。ダリアさん」
ダリアの存在に気づくと、晃はテーブルから離れて会話が聞こえない距離まで誘導していく。

晃「ちょうどよかった。タチの悪い子供がいて困ってたんですよ。絞ってくれませんか?」
ダリア「そんなに負けてるのかい?」
晃「全然。10,000円とかじゃないですか。子供にしては大金かもしれませんが、それぐらいで騒いでやがるから迷惑なんです」
ダリア「あんたがやればいいじゃないか」
晃「千尋ちゃんの友達なんだと。ったく」

千尋の友達……珍しいねえ。あのジャジャ馬に友達なんて。
斬「お願いだ。もう帰ろう」
正明「うるせえ殺すぞクソ女。もう一ゲームやるからてめえは座ってろよ」
ダリア(竹原正明……!)
ダリア「……」
なるほど、だから千尋はあの時水上カジノに……。
ダリア「……」
待て。それじゃあこいつは、風雪お嬢様の友人……風雪お嬢様に、友人?

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