第九話『問題発覚後に人間力が試される』1/2
◆【雀荘】
斬「ロン」
正明「くそっ! なんだこの女! まくられた!」
正明「くっそ、くそ……やってらんねー今日はもう帰ろうぜ?」
男性1「うーん……うん。そうだね」
男性2「うん。帰ろうか」
◆【繁華街】
久しぶりの麻雀を終えると、別々に別れてから近くのコンビニで集合する。
斬「終わってよかったの?」
正明「あいつらは金になる。だったら無理に絞るより、ゆっくり絞り続けた方がいいってわけ」
本当、久しぶりの麻雀だからな。パチンコもねーしポーカーでもまだ稼げない以上、貴重な収入源だ。
正明「ま、とはいえ地元から大分外れて終電もねーからな」
斬「帰りはどうするんだい」
正明「適当にラブホでも……」
斬「え……ええッ!?」
正明「ああ、大丈夫大丈夫。この辺は一泊2,000円ぐらいで行けるんで、割り勘だと……」
っと、そうだった。
モチみたいなゴミじゃなくてジャンは可愛い女の子なんだから。
正明「……」
でもタクシーなんてヤダ。絶対ヤダ。死んでもヤダ。
あと最近色々動いているせいか身体が睡眠を欲しがっている。よって第一候補であるカラオケは除外される。
野宿……いやいやいや、ありえねーだろって……あ。
正明「漫画喫茶行くか!」
斬「漫画喫茶……うん! 良いと思う」
実は漫画喫茶というのは二人とも初めてで、会員証を作るところから始まった。
斬「うわー、すごいね! マサ、漫画がいっぱいあるよ!」
正明「ジャン。多分こういうところは大声出したらアレじゃね? いや知らねーけど」
斬「あ、そうなんだ……ごめんなさい」
なんか人からごめんなさいって言葉数年ぶりに聞いた気がする。
比較的広そうだったのでカップルシートを借りて中に入る。
斬「うわあ、すごい。スゴイね!」
正明「おー……狭くね?」
地面全体がソファーのようで、背もたれとパソコンが置いてある。
ただし個室とやらよりは広いのだろう。
足は十分に伸ばせるし枕もある。
睡眠を取るには十分だ。
正明「シャワー浴びれるか見てくるわ」
斬「え? 漫画喫茶ってシャワーもあるの?」
正明「あるって書いてあったけどな。まあ見てくる」
ちょうど誰も利用していなかったので、汗を流せた。
あー、気持ちい。
やっぱりシャワーの出が強いのはいいな。オレのアパートもあれどうにかなんねーかな。
水圧って修理とかできねーのかな? 今度暇な時調べてみるか。
席に戻るまえに、ドリンクコーナーで可能な限りコーンスープとコーラを堪能する。
……これ家に欲しいなあ。
まあ有料ならいらねーんだけど。
正明(まさか夕飯にまでありつけるとはな。いいじゃん漫画喫茶)
ちなみに竹原正明が言う"夕飯"というのはコーンスープを指す。
ルンルンで自分の席に戻るとドアを開ける。
△【イベントCG038・AV視聴の四光院斬】
斬「……」
正明「……」
なんてもの見てんだよ。
斬「……」
肉と肉のぶつかり合い。そういう動画だ。
何を言っているのかまではわからなかったが、と言いたいが少しスピーカーから女の喘ぎ声が漏れてくるヤバさ。
いや、いいよ別に。うん。いや、うん。うーん、うん。全然いい。いいんだけどさ……。
見るのはいいけど……こいつオレと一緒に来てるってこいつ忘れてねーか?
正明「……チッ」
コーンスープとコーラを持ったまま器用にドアを閉める。
熱々で飲みたかったが、とも思ったが
イラつきより今回は変な感情が芽生えた。
わざわざコーンスープを冷ますように何気なく店内を一周する。
あー……オレもそういう気遣いできるって、大人になったんだな。
大人ってなんかイヤだな。
ザッ! ザッ! ザッ!
他の客が居たら嫌な顔をされるぐらい靴をすり減らして音を立てながら戻って来る。
正明「あー、良い風呂だったなー!」
5メートル手前から大声で独り言を呟く。
正明(……まあ、もう十分だろ)
ガララ。
△【イベントCG038・AV視聴の四光院斬】
斬「……」
正明「……」
――いい加減にしろよてめえ。


