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第八話『フードログ★1の当たり』2/3

正明「やってれば味は間違いないんだが……おっ! よかった。やってんじゃん! すげーな木葉。運がいいぜ。店やってるってよ!」
ボロボロの外装に野菜を連想させる緑色の外装。
もし台風でも直撃しようものなら真っ先に倒壊であろう歴史を感じる建物。

それなのに看板だけはピカピカで、そこにはこう書かれている。

【GO×2カレー! 外観】
木葉「チェーン店……の、パクリ?」
正明「あー、店長がアホでな。まあ色々あるんだわ」


【GO×2カレー!】
ハゲジャグさん「いらっしゃいませーいらっしゃいませー」
正明「おいっすー」
ハゲジャグさん「んー。やあ竹ちゃん。久しぶりだねえ」

ここはパチンコ仲間のハゲジャグさんのカレー屋である。。

ハゲジャグさん「可愛い子だねえ。外国の彼女さんかい?」
木葉「はあ? あんた誰に向かって言っているのよ?」
ハゲジャグさん「それにしても久しぶりだねえ。竹ちゃん最近見てなくて寂しかったよ。サービスするから少しぐらい来てくれるかね」
正明「この店いつやってるかわかんねーじゃん」
ハゲジャグさん「お店なんてたまにしか開けないさ」
本当ダメ人間だよなハゲジャグさん。

ハゲジャグさん「座っておくれ。今日のカレーはよくできているよ」
木葉「あんたの友人って話し聞かないわね」
正明「よお親友」
木葉「全部乗せ。甘口よ!」
ハゲジャグさん「このお店は食券だねえ」
木葉「はあ? 食券って誰よ。あたしは風雪木葉よ!」
正明「話し聞こうぜマイ・ブラザー」


ああ、これか。と存在に気付いたようにお金を入れるが、紙幣が入らない。
ハゲジャグさん「うちは千円だけだよ」
木葉「なによこいつ! なんでこの風雪木葉を拒否するのよ!」
正明「話しを聞こうベストフレンド! オレの千円と渋沢交換してあげるから!」
木葉「ふん! 甘口全部乗せよ」
一万円札を投げ捨てると、それを有り難く受け取る。

ハゲジャグさん「ごめんね。今日は甘口作ってないよ」
木葉「はあ!? 何言ってんのよこのハゲッ!」
木葉「ハゲッ!」
ハゲジャグさん「ごめんね。次会った時までには、髪の毛少し増やすように頑張るね」
木葉「そこじゃないわよハゲッ!」
正明「つーか木葉ちゃんってなにー? 甘口しか食べれないお子様系?」
木葉「……は?」
基本誰かに怒鳴っている木葉は"スイッチ"が入る時に静止する。

正明「いや別に。可愛いなーって」
木葉「あんた――誰に向かって口利いてるのよ」
木葉「……」
条件反射で答えたものの、一度冷静になった。

木葉「……ちなみにあんたは何頼むのよ」
正明「ジャンジャンバリバリカツカレー」
木葉「違うわよ。本当に会話通じないわね低学歴。辛さよ」
正明「中辛。あと一応学歴は木葉ちゃんの学園な」
木葉「プッ。あんた最高に面白いわね。中辛ごときでこの風雪木葉に口利いてるの?」
木葉「――辛口よ! ジャンジャンバリバリカレー全部乗せ辛口を持ってきなさい!」
正明「……あ?」
辛口だと、このガキ――!
正明「ハゲジャグさん。オレ激辛で」
木葉「……ッ!」
木葉「おいそこのハゲ! ダブル激辛よ!」
正明「ハゲジャグさん! オレカムチャッカ辛!」
木葉「ハゲッ! あたしはエクスプロージョン辛よ!」
ハゲジャグさん「うちは食券で選ぶんだよ」
ちなみに出てきたのは両方とも中辛だった。

~~~~~~~~~~~~~~~

木葉「美味いじゃない! なんであんたこの店教えないのよ!」
正明「店長がスロット行ってると休みなんだよ。ハゲジャグさんエプロン付けたままパチンコ屋に行くんだよ。奥さんへのフェイクだってさ」
木葉「クズね」
正明「だよな。こうなったら人間もう終わりだわ」
ハゲジャグさん「竹ちゃん。ボクの話しはやめておくれ」

正明「あとこの店すぐ値段変動するんだよ。渋沢3枚負けたらこっそり食券200円上がったりするクソ店舗よ」
木葉「ふーん。だからフードログで★1だったのね」
ハゲジャグさん「ええッ!?」


客「ういっすー。店長! 今日やってたんすね!」
ハゲジャグさん「いらっしゃいませーいらっしゃいませー。じゃんじゃんバリバリ元気に切り盛りしていますよ」
こんなんでも許容されれば勝ちなんだろうな。
木葉「そういえばあんた、私に聞きたい事あるんだって?」
正明「ん?」
あったっけそんなの。


●【選択肢029:木葉に聞きたい事と言えば】
A.WSOPの事
B.彼氏いたことある?

●A.WSOPの事
正明「WSOPってなに?」
木葉「なによ」
正明「……」
質問してるのオレなのよ木葉ちゃん。

木葉「……?」
木葉「なんであんたがWSOP知っているのよ」
正明「……」
いそいそと、この前もらったチケットを表示した。
木葉「あ、あー。はいはい。そうだったわね」
木葉「そうね。あんたに説明するとすると、お祭りね」
木葉「トランプのゲームがあるのよ。その大会の参加券よ」
正明「……」
オレが、ポーカーを知らないという前提で話しているけどさ。

そう。そこまではいい。いいとして、だ。
優勝したら一億で、これって参加費だけで百渋沢分の価値なんだろ?

正明「それ、賞金出るんだろ? オレが優勝したらそれ全部もらっていいのかよ」
木葉「んー……」
木葉にしては珍しく考える。

木葉「……そうね。トランプのゲームなんだけど、実力差が出るのよ」
木葉「だからあんたじゃ無理ね」

ああ、そうか。このガキ――ッ!
正明「オレが優勝したら――賞金一億全部もらっていいのかって聞いてんだよ」
木葉「そうね。できたらいいけど、できないわよ。難しいわね。上手く説明できないわ」
こいつ……やっぱり……ッ!
こみ上げる怒りと同時に失望感まで漂う。

木葉「くじに当たった後、世界チャンピオンのヘビー級ボクサーと勝負する……うん。そうかも。あ! 宝くじ! そうね。宝くじみたいなもんよ」
木葉「当たるといいわね!」
正明「ヒヒヒ」
ああ、やっぱりこのガキ――オレを敵として認識してねえ。
思えば初めからそうだった。
このガキは、自分は殿上人だとでも言いたげな、そんな――。
正明「……」


●B.彼氏いたことある?
木葉「いるわけないじゃない」
正明「だよな」
木葉「……」
パクパクと二人で飯を貪る。
木葉「あんたムカつくわ」
正明「ふぇ?」
木葉「その反応とかあたしのパクリのつもりッ!?」
ちょこちょこパクったの見つけてくれるのはちょっと嬉しい。
木葉「あんたこそ彼女居たことあるのかしら」
正明「その話しはやめよう。はい、やめ!」
木葉「ふん。なによ。あんたもいないんじゃない」
正明「……」
うん。そうだな。考えてみれば彼女居たことないし童貞だったわ。
木葉「あんた斬と付き合わないの? 何が不満なのよ」
正明「ハゲ」
ハゲジャグさん「呼んだかい?」
正明「呼んでないっす」
木葉「あんた、バカだからわかんないと思うけど、あんな良い子中々いないわよ」
……ジャンねえ。
つーか……あー、くだらねえ。そんな事にまとも頭使ったらカロリーがもったいねえ。
正明「木葉ってオレとジャンくっつけたがるよな。ジャンの友達ならオレよりもっと良い男紹介してやれよ」
木葉「……」
木葉「正論過ぎて言葉がないわ……ッ!」
目からウロコとでも言いたげな表情に苛ついた。

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奢ってもらったので、お冷のおかわりを持ってくる。
その時ハフハフ食べる木葉を見て、ある事に気がついた。

正明「でも初めて会った時に比べて、今の木葉ってさ」
正明「太ったよな」
木葉「なんでそこで区切ったのよッ!? 太ってないわよ!」

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