第七話『クラス保有者の実力』4/5
カナダのカジノ産業の双璧。
ColonyFords(コロニーフォード)社を潰す。
それが何を言っているのかと言うと、言葉通り。
友達と二人で世界最大手の"ファーストチェーン"を潰すと世迷い言を垂れ流しているだけ。
ダリア「……」
考えた。だが何も出てこない。
あまりにも夢物語の世迷言。
たった二人で世界トップクラスのカジノを潰すと息巻いているとなればもはや妄言だと一蹴されるだろう。
ダリア「そのもうひとりの友達はダレだい?」
春樹「薩摩真司です」
呆れた顔をしていた老婆が合点がいったというように頷いた。
ダリア「なるほどねえ――あんたが"リジェクト殺しのピーターパン"かい」
春樹「……」
なんでそれを知っているんだよ……。
当時あの場に居たの数名。秘匿性の高いあの状況でこうやって知れ渡るということは……いや、知っているのはイシュタムとその関係値を持つ間柄のみと考えればその結論は早計か。
ダリア「私は表向きはWPSの幹部でねえ。裏ではそれ以外にも複数組合団体と所属している。あの御方の下に居るのもそのひとつさ」
悪寒が走った。
サラッととんでもない事を口にした。これを知った人物が、どうなるのか……!
ダリア「風向き次第で立場を変えるつもりだけどねえ。だけど今回、あんたのところとは敵対どころか関係値を持つ組織もいないからねえ」
しばらく考えると、老婆は頷いた
ダリア「わかった。あの人が言ったからには力になろう。あんた達の目的はなんだい?」
額面通りに言葉を受け取るならば、ダリア・グリフィスさえも懐柔できるイシュタムはやはり存在するのだろう。
そして敵対しないので命を奪うに値しないと。
呼吸つ分。
短い思考をした後、正直にカードを切る事を決意する。
春樹「MMM(エムスリー)をみたいです」
ほう、と声を漏らして初めて出された飲み物に口をつけた。そのまま続けろという意味だろう。
春樹「ボクら以上に厳しい状況で、たった一人でのし上がり。最強の駒キニー・ブラウンを手にして日本の闇である岩盤規制を打ち破り権利を取得した」
春樹「権力を変える圧倒的な暴力。権力が変わった後の世界。ボクはそれが見たいです」
ダリア「なるほどねえ……」
そう呟いた後、二、三言葉を探すような仕草を見せたが、出てきたのはため息だった。
ダリア「身の程を知るんだねえ」
春樹「ですよねー」


