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第六話:『オッドアイの万能執事後編』3/4

厨房で"用意を済ます"と、一度だけ目を閉じた。

自己正当化。
それはこの相手となれば――あまりにも容易い。

誰がなんと言おうと、俺は正当防衛であると拳を下ろすつもりはない。

今、『バイリンガルの王子様』はホールへ踏み出す。

恭介「大変お待たせしました。ご注文を承りま……」
望代「遅えよバーカ」
恭介「……!」
正明「うーわ。メニュー見たけどドン引き。これ高くね? なんでパスタ茹でて1,300円とか請求できるわけ? 原価いくらだよ」
恭介(それを言い出すなら外食などできるわけないだろうが――)

しかし、しかしだ。
ここまでなら炎上動画で晒される程度のカスハラ(カスタマーハラスメント)の領域である。

ただの道徳を欠損して生まれてきた異端児で話が終わる程度。

――このタッグのポテンシャルはそんなものじゃない。


正明「店員さん。オススメとかあるの?」
恭介「……」
コホン、と小さく咳払いをするように拳を口元に持っていき、
恭介「オススメですね――」
プッ!
と、錬金術師の首筋を狙って針を吐く。

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●B.懇願して許しを請う。
正明「ギ……」
糸の絶たれた操り人形のように、テーブルの上に頭をぶつけて崩れおちた。

望代「あ? こんな楽しい時に何寝て……」
プッ!
望代「う……」
同じく、ポーチの中から何かを取り出そうとした魔女もその場に力尽きた。


恭介「フッ……」
他愛もない。

終わってみればそんなものだ。
いかに危険な個体であろうと、不意打ちで命を経てば未然に防げる。

こうしてバイリンガルの王子は王国を守り平和に暮らしましたさ。
めでたしめでたし――



と、胸をなでおろしたの束の間で――。

ハート型のポーチから、大量のGが放たれていった。

恭介「な……」
客「え……きゃああああああああああああああああ!」
客「わああああああああああああああああああ!」
客「あああああああああああああああああああああ!!!」
店員「ぎゃあああああああああああああああ!!!」
店員「田代君!!!」
恭介「な……ッ! く、ぐううううううううう!!!」


魔女の呪いは、一つのお店を閉鎖させるほどの力を持っていた――。
【オッドアイの王子様編/END】

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●A.ファーストコンタクトで殺しにくる
ガキン!
鳴るはずのない金属音。
死角から放たれた毒針はメニューで遮られた。
正明「ペペロンチーノ。アイスコーヒー付きでよろしこ~」
視線を合わせないノールックでこの反応。

恭介「……ッ!」
この男、やはり初めから――!


△【イベントCG028・モードゥスの女王】
望代「おい」
思考が回らないうちに見せるのは、袋いっぱいに入ったゴキ……、
恭介「ひぃ……ッ!」
望代「この店ってペットの持ち込みダメだっけ? 離す? ん? 放つか?」
恭介「う、あ、く、が……」
考えられない。
考えられない考えられない考えられない。

この女、何を――ッ!

望代「モチステーキ。大盛り」
望代「コーラ付きでよろしこ~」
恭介「く、ぐ……!」

望代「あ? 聞こえねえの執事様?」
恭介「なッ――」
正明「注文繰り返して~」
恭介「……ッ」

これが絶望――心臓が他人に握られる、初めての感触。
これが、恐怖――ッ!

恭介「……ッ」
望代「あ? 聞こえねえのか歩く黒歴史」
望代「あ、間違えたし。ごめんな。"王子様"」
恭介「ぎ、ぎ――ッ!」

もしこの時、人間に第六感という能力が備わってさえいれば、
確実に殺意でこの二人を●す事が出来たのに――!

いや、今は冷静に……! そう、これ以上刺激するな、今は、今だけでいい。今だけは、間違えるな……!

恭介「……ご注文、繰り返させて頂きます」
恭介「日替わりペペロンチーノにアイスコーヒー。ステーキにコーラですね」
正明「……」
望代「……」
正明「プッ。ヒヒヒ……」
望代「くふふ。繰り返させて頂きましたし!」
――殺す。

絶対殺す。
指一本ずつ折りながら泣き叫んでる声を無視しながら永遠の苦しみを与え続けてやる……!

正明「あとポテトー」
望代「アイスー」
正明「フォアグラー」
望代「高いヤツー」

恭介「……承りました」

正明「ヒヒヒ」
望代「くふふ」

恭介「……ぐ」

キッチンに戻ろうとすると別のテーブルから声をかけられた。
客「あの、写真撮ってもらっていいですか?」
恭介「あ、う……ああ、はい。ではカメラを……」
客「いえ、一緒に……なんて……」
恭介「ぐ……」
別に珍しい事ではない。女性客に好かれる事は日常と化しているが、
いるが、だ。今は……!

客「え、あ……イヤなら、そんな無理に……」
恭介「イヤではないです! そうじゃなくて……はい。わかりました」

正明「……」
望代「……」
恭介「ぐ……」
正明「ヒヒヒ、見てるな」
望代「くふふ。見てるし」

女の子らしい可愛いポーチにゴキを収納する。
正明(冷静に考えてやべえよなこの女)

望代「なあ。どうするんだよ。お前自分より弱いヤツを嬲る(なぶる)天才だろ」
正明「ヒヒヒヒヒ! 褒めるなよ。だがまあ事実だわな。その才能ならオレより特化してるヤツ見たことねーわ」

力の鏡。技の竹原。今、ここに最凶コンビが結成した。

望代「どうすんだよ。もったいぶらずに教えろよ」
正明「ヒヒヒ、まあ聞け――まだまだ続くぜ?」

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