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第四話『オッドアイの王子様前編』2/3

◆【モードゥス】
近くにこんな店があったのかと思うオシャレなカフェ。
喫茶店にはほとんど縁はなかったが、コーヒーは嫌いではない。

指定された店に来店すると手を大きく振るクラスメイトの姿があった。
ただそこには予想外に二人組の女子が座っていた。

女子クラスメイト「来てくれてありがとう! 時間大丈夫?」
正明「ふっ。なあに、構わないさ」
女子クラスメイト「えっと、それで……紹介するね。一年生の結衣。可愛いでしょ」
結衣「は……はじめまして……」

あー、はいはいはい。そっちパターンね。

正明「はじめまして。竹原正明です」
ニコリと笑みを浮かべると、気まずそうに俯く。

ふーむ。

小さいな。パッと見地味そうに見えるが、顔薄いし化粧映えする顔。クロークのコートとか似合いそうだな。

女子クラスメイト「ほら、結衣」
結衣「うう、高橋先輩……」
こいつも高橋さんなのか。ややこしいから名字変えろよ。
結衣「えっと、私、好きな人居て、それで、竹原さんを……竹原さんが……」
正明「ふっ……ゆっくりでいいんだよ……」

こうやって後輩先輩でちゃんと仲保てる女の子って見てて気持ちいいよな。
女の子眺めて和むとか言ってるおっさんの戯言がちょっとはわかるわ。

クラスメイト高橋「結衣。それじゃまるで竹原さんが好きみたいに聞こえるよ」
結衣「え!? ち、ちちち違います! 絶対ありえません!」
クラスメイト高橋「あはは、だよねー。流石にそれはないよ」
正明「ふっ。そうだよね……」
正明「……」
正明「あ?」

今なんつったこのクソ女共??

クラスメイト高橋「そこまで否定する事ないんじゃない。失礼だよ」
結衣「あの、いえ、そんなつもりじゃ……私なんかより、きっと素敵な人が居ますから……」
正明「……」
あ? なんでオレいきなりフラレてるの?

結衣「あの……今日は、その……」
結衣「田代先輩の事で……」
正明「あはは、田代さんね」
知らねえよ――。

親指を除く四本の指がテーブルの裏側に張り付く。
さて、店員が飲み物をテーブルに置いた瞬間にひっくり返すか――!

クラスメイト高橋「私、竹原さんと初めて喋ったんですけど、みんながヤバイヤバイ言うほどじゃないですよね。なんて言うか、普通のいい人みたいな」
正明「あははは。そうですよ。ボクは全然普通の人ですよ」
普通の人はなあ。てめえらみてえなクソガキに煽られたら――ッ!

おッ! 店員きた。さーて、さーって!!!

知らねえなら教えてやるよクソ女ども。
オレは竹原正明で、オレを煽るヤツは――!


結衣「私あの、"ここで働いている恭介先輩"の事が好きで……」

だから知らねえってどこの恭介だよ――!
せーのでひっくり返すからな、せーの――!

店員「クラシックバターミルクパンケーキでございます」
クラスメイト高橋「わー、おいしそー!」
結衣「そうなんですよ! とっても美味しくて、一番の人気商品なんですよ!」
正明「……」
正明「恭介、えー、田代恭介……」
結衣「は、はい! 竹原先輩と一緒に歩いているのをよく見て、友人なんだなーって……勝手にその……」

田代恭介……。

つっても、オレが結構な頻度で並んで歩く男となると、数えるほどしかいなくて、

え、ちょっとまって。スケスケ?

正明「……」
正明「…………」
この時、どれだけ邪な笑みをしていたのかは自分でもわからない。
正明「結衣ちゃん。その話詳しく教えてよ」

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