第一話『剛力の説教』3/3
坂口「なあ正明」
坂口「お前いつまでツッパるつもりだ?」
正明「え? 仕切り直してまたマジ説教するの? あの、マジで帰ってもらっていいっすか?」
坂口「真面目な話しだ」
常にONである怖い顔のグッチー先輩はON OFFの切り替えがわかりにくい。
坂口「先に釘指しとく。そんな生き方絶対後悔するぞ」
なんかスゲー睨んでる。どうしたのよ。超怖え。
ポケットからタバコを取り出すとそれに火をつけるのを見て、オレも同じようにタバコを点火させる。
望代「なあ喫煙者って自分たちが迷惑って自覚ねーの? 日本のガンだし」
坂口「否定する気はねーな」
正明「ガーン」
坂口「この馬鹿殴っていいぞ」
正明「ガーン」
望代「お前滑ったネタ笑うまで繰り返すクセやめろよ。吐き気がするし」
正明「ガーン」
結局両サイドから殴られた。
坂口「おい。そろそろ真面目な話ししていいか?」
正明「あー……まあ大好きなグッチー先輩だから? あんまマジな話したくねーのよ。まあまあまあで逃げてえわけ」
正明「お茶を濁しても?」
正明「いいともー!」
望代「……」
望代「え? え? 何? 今面白い事言ったよな? え?」
正明「……」
こいつやっぱ嫌いだわ。
坂口「正明。いい加減人の話し聞けよ。シバくぞてめえ」
さっきからいっぱいシバいているやないかーい!
はい、知ってる。それ言ったらまた殴るんだろ?
坂口「生活苦しいだろ。改善する気ねーのか?」
正明「ああん?」
久しぶりに会ったと思ったらやけに今日はぐいぐい説教してくるな。
正明「どうしたの今日? 生理?」
坂口「次近藤みてえな事言ってると殺すぞ」
正明「ごめんなさい」
坂口「……」
坂口(近藤は言いすぎたな……)
望代「本当に。いい加減にしろよクソ原。真面目な話しだし。耳の穴かっぽじってちゃんと聞けよ?」
望代「いいともー!」
正明「……ッ」(イラぁ……!)
こいつは後で八つ裂きにするとして……。
自分でも自分の性格少しはわかるけど、引かないってのは血の繋がりがあるグッチー先輩も同じだよな。相手にすると超うぜえししつけえ。
つーかなんで今になって急に……。
正明「……ん?」
あー、あー……もしかして……
正明「なんだよ。ロクさんに言われたのかよ。心配なら尚更こいつ連れて帰ればいいじゃん」
坂口「……」
望代「は? おい。それ本当かよ。なに黙ってんだよ。なんか喋れよクソヤクザ」
坂口「……」
こりゃ図星だな。グッチー先輩ってわかりやすいほどウソつけねーよな。
坂口「……本当にそれでいいのか? お前達の"絆"は」
正明「わははははははは! 絆! 絆! 水のように! ってパチスロかよ!」
望代「くふふふふふ! はははははは! こいつ極道映画の見過ぎだし! 竹原の血縁ほんとバカだし」
正明「ヒヒヒヒヒ……ってオレの文句は許さんぞっ!」
坂口「……」
坂口(今の若いヤツって……あれ、俺? 俺がおかしいのか……?)
この二人を若者代表として見るのは他の年代に失礼だと納得した。
坂口「とにかく! 学園には行け! 望代は家にもたまには帰れ!」
望代「は? イヤだし。なんでモチに命令してんだよ」
正明「おい。今真面目な話ししてんだけど」
望代「うわっ! パクった! すぐパクる! またパクったなパク原! お前自分のネタがつまんないからって……おらああああああ!」
正明「ぎゃああああああああ! 目がああああああああ!」
望代「てめえが手を出すタイミングも完璧にわかるし。くふふ。これなんて言うか知ってるか?」
望代「絆」
正明「わははははははははは!」
望代「くふふふふふ!」
坂口「……」
坂口(こいつら仲いいなあ……)
二人が仲良いのがわかったので、とりあえず溜飲を下げて帰っていった。
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正明「……」
望代「……」
正明「……」
望代「……」
正明「よーーーし! 塩撒け塩!」
望代「わっしょーい!」
正明「どすこーい!」
望代「どすこーい!」
正明「ワハハハハハ! くたばれクソヤクザめ!」
望代「くふふふ。ゲームするし!」
正明「あー、痛え。女って殴られなくて良いよな」
望代「可愛い女の子殴るクソは竹原ぐらいだし」
これって差別だと思うんですけど世の中的にはどうなんですかねえ。
それから二時間後自分の認識が甘かった事を知る。


