第十三話『弟子と師匠と友達と』6/6
◆【船上】
瑞花「正気ですかあの人……」
木葉「……」
木葉「……プッ」
木葉「あははははは! 海にゴミ袋が浮いてるわ!」
プカプカと浮かぶゴミ袋はまるで環境汚染のCMに使われそうなほど見事な物だった。
そうね。そうだったわ。
あの底辺ホストはあたしの友達だったわね。
木葉「あははははは! 汚いわねえ! 環境破壊じゃない。あははははは!」
瑞花「あははは、本当ですね」
梨花「ほほほ、ゴミ袋にしか見えませんわ!」
木葉「――何笑ってるのよ」
瑞花「は? あ、……申し訳ありません」
梨花「……」
木葉「ふん。気分が悪いわ」
正明が口にしていたクーラーボックスを指さした。
木葉「おい。あいつの私物は全部家に運んであげなさい」
瑞花「は、はい!」
何も持てない底辺庶民なんて理解できないけど、あたしはやっぱりあんたの事がわかるわ。
木葉「あんた達バカだから忠告しとくわ」
木葉「あたしの友人には今後あたしと同じ様に扱いなさい。失礼があったら替えるわ」
瑞花「は……はい! かしこまりました!」
◆【海】
正明「ふ……ははは、陸! 陸見えたじゃねーか!」
高橋「おーう。あと5kmもねーな。すぐじゃん」
正明「ヒヒヒ…ヒィ、すぃ…水平線終わったら……楽勝じゃん……」
高橋「マーサー、なんかスポーツしてたのか? 部活生にしてもすげーじゃん」
正明「バカかよ……にゃ、なんで、ふっ…おっさん息切れもしね…の?」
高橋「そりゃお前……趣味筋トレよ」
うぐ、腕が重い、息が苦しい……。
高橋「おら。もう陸見えるんだからもうちょいのちょい。頑張るぞー」
正明「ぐ……ヒィ、頑張るぞーじゃ……ねぇ……」
正明「クソ、あの寸胴チビめ……許さん……許さんぞ……何故オレがこんな目に……!」
高橋「何故ってそりゃエース二枚に喧嘩売って無様に負けたからだろ」
正明「黙らっしゃい!!!」
正明「次は確実に勝てるギャンブルに誘導して……そうだ、腕相撲。ふふ、腕相撲なら勝てる! 勝てるはず……」
高橋「頼むからヤバくなったら気を失う前に言えよ」
合計6時間。
ゆっくり平泳ぎで陸にたどり着いた頃に意識を失って高橋さんに送ってもらったらしい。


