第十三話『弟子と師匠と友達と』1/6
◆【海上カジノ】
おおおおおおおお!
すげえ。こいつら全部ポーカープレイヤーかよ。
ルーレットにバカラ、ブラックジャックにサイコロのヤツとか色々ある。
その数よりも多くのポーカーテーブルがあり、中央の奥には人が溜まっている。
正明「お兄さん。ここ、レートいくらからできますか?」
ディーラー「バイイン10万円。5,000円/3,000円になります」
正明「なるほどね。結構安いのな」
高橋さんから貰った千円を足して、1,820円あるので……惜っしー。ギリ十万円足りねーんだわ。
ディーラー「それでしたら奥のテーブルはバイイン50万円スタートになっておりますがリミットがありません」
正明「リミット?」
ディーラー「上限が存在しないテーブルです」
正明「ふーん。まあボクにはそれぐらいがちょうどいいかな」
50万円ってジンバブ……ダメだ。円って言ってる。逃げられん。
ま、どうせ打てねえならハイレートテーブルでも見学しますか。
オレと入れ替えで歩いてくるのは長身の金髪男性。
正明「ハロー」
キニー「ハロー」
そう言って大袈裟に道を譲る気さくな仕草を見せる。
その横を甘んじて歩いて――、
正明「――ポーカープレイヤーか?」
キニー「はい?」
正明「……」
なんだ、こいつ。
オーラとか気配とか、よくわからんがそういうのが危ないと身体が細胞が拒絶している。
正明「……ああ、どっかで見たと思えばさっき喋ってたお偉いさんか」
ってバリバリのポーカープレイヤーか。
確かさっきの話なら世界一と言っていたか……。
キニー「ふむ……」
碧色の瞳の中に、竹原正明がどう見えるのか。
キニー「もしや、あなた様が"薩摩真司"様でしょうか?」
正明「誰だよ」
ってあれ、それもどこかで聞いたな……薩摩! 九州か! いや九州じゃねーみてえだけど。
黒服「キニー様。お客様がお待ちです」
キニー「これはこれは。わざわざご足労頂きありがとうございます」
キニー「それでは引き続き水上カジノをお楽しみください」
一例すると、優雅に去っていった。
正明「……」
あの外人がポーカーをするなら……きっと、強いんだろうな。
種類は違うがああいう気持ち悪い人間を一人、知っている。
自分の身体に自分が入っていない、器のくせに人を超えた自分を持つ存在。
正明「そういやまだ、バイト何回か残ってたな」


