第十二話『ゴミ袋を乗せた豪華客船』4/6
レイナ「キレイなお婆ちゃんでしたねー。もしかして、マーサーの?」
正明「日本人やないかーい!」
レイナ「あははは、そうですよね」
それはそうとこいつも良い物付けてるよな。
左の肩を露出するエロさも出しつつ高級溢れる黄色いのドレス。
時計なんかもちゃんとしてて……
正明「ってこれパトリモニーじゃん!」
レイナ「え、凄い。わかるんですか?」
わかるんですかって……おいおい。
これ確か中古でも100渋沢超えるヤツだろ。
正明「へー、すげー。センスいーわ。オレが女だったら絶対コレ付けてる」
レイナ「やーん、ありがとー。でも女の子って時計よりももっと細かいところ褒めてほしいんだぞ」
正明「へー。へー」
レイナ「うーん、人の話を聞かない……やっぱりマーサーは大物さんだあ」
レイナ「ねえねえ。今日は彼女さんいないの?」
正明「あん? あー、あれね。あのゴミね」
レイナ「マーサーがゴミ袋やないかーい」
正明「これはダウンジャケットです!!!」
くっそ、この身だしなみでマウント取られるのはしょうがねえか。
レイナ「レイナね。マーサーが入り口から入ってきたの見てたの」
レイナ「まーたまた違う子だねー。このモテモテさんめー! ハーレム王国作る気かー。このこのー。レイナも入れろー!」
あー……そうか。千田千尋もそういう風に見てたのね。
レイナ「ねねね。誰が本命なの?」
●【選択肢000:本命の子は……】
A.キミ……かな?
B.あの女共に興味はない
C.望代
A.キミ……かな?
レイナ「キャーーーー! 遊んでるー! 彼女さんに言っちゃおうーっと」
レイナ「ってね! その彼女さんが多すぎてわからないのですよー! やーん、悪いんだー」
B.あの女共に興味はない
正明「ボクはあの子達には興味がない……かな」
レイナ「やーん! すごーい、ドライなんだー」
二人「「スーパドラァァァァァイ!」」
レイナ「イェーイ!」
正明「イェーーーイ!」
やっぱノリ良いよなこいつ。すげーな芸能界!
C.望代
ねーよバカ。バーーーーーカ!!!!
司会「海の上だけに、会場にお越しのみなさん。こんにちは」
突然の挨拶にドッと会場が湧く。
え……海の上と今なにをかけた??
あ! 海上ね! 会場と。なるほどね! 中々やるヤツだな!
司会「楽しんで頂けますか? さあ。本日は元世界最強のポーカープレイヤーであり、現WS社の代表取締役」
最強のポーカープレイヤー……?
司会「最近の趣味はルービックキューブで友達を募集中だそうです」
司会「キニー・ブラウンさんの登場です」
ステージの上に挙がる一人の金髪西洋系男性。
深々と一礼をして上がった表情は成功者によく見える自信に包まれた微笑みを浮かべていた。
キニー「私のような独身男性は日本語で"ボッチ"と言うのですね。こんにちは、キニー・ブラウンです」
軽いジョークを交えると、会場が湧く。
正明「……」
表情の柔らかさからの反面、余裕の立ち振舞。動作の全てに自信が伺える。
気品がある。
細い身体だが体幹がしっかりしている。
遠目だから細部まではよく見えないが、立っているだけで様になる。
正明「……」
あれが……世界最強のポーカープレイヤー……?
キニー「世界一の海の旅。いかがお過ごしでしょうか? 今回は遠路遥々カジノWS決起会にお越し頂きありがとうございます」
カジノWS?
キニー「主である風雪様は例によって遅刻のようで、代わりにルービックキューブで忙しい私が駆り出されたということになります」
会場が笑いに包まれる。
キニー「さて、日本についにランドカジノが設立されました。関東、沖縄、そしてここ、関西」
キニー「まず初めに我々がカジノ反対派と論議をした時の話です。日本にカジノを導入すると言うテーマが浮上した時、こう言われたのです」
キニー「日本人がギャンブル中毒になったらどうするんだ?」
キニー「とても面白い冗談で笑ってしまいましたが、どうやら相手の本気の様です」
キニー「確かに日本にはカジノはありませんが、世界一のギャンブル依存症患者に悩まされています。何故でしょうか? 不思議ですねえ」
キニー「その理由は我々も警察も政府にも全く心当たりはないのですが、ともかくギャンブル依存症を減らし快適な社会を作るというのはとても大事なことなのは真理です」
キニー「日本国民全てが喜べる存在になりたい。その一心で結合した組織が我々WS社」
キニー「ギャンブル依存症対策には顧客の管理を。税収向上に向けて入場料と売上と換金手数料の一部を政府へ。ここはパチンコにはない構造ですね」
キニー「おっと、これは失礼しました。私はパチンコも三店方式も存じておりませんのでした」
笑いが巻き起こる。
話は続く。
キニー「統合型リゾート。通称IR計画」
キニー「"IR"。インテグレーテッドリゾート。ですので、集合体のカジノリゾートという意味が込められています」
キニー「イメーシとしてはショッピングモールなどですね。カジノを楽しんだお客様がその周辺のお店で買い物を楽しんで頂くという趣旨です」
キニー「しかし現実はIRと呼ぶよりは"CR"と呼びましょうか。その理由は巨大モールの全売上のほぼ全てカジノが有していることが挙げられます」
キニー「IR計画を名乗る以上、周辺まで消費の波及効果を及ぼす事はとても重要事項であると私共は考えました」
キニー「そこで思いついたのが商品券システムになります」
キニー「とても単純です。カジノチップでの売買も可能にするという構想を提案している最中になります」
キニー「例えば換金時に手数料を5%設ける場合、チップで商品購入をすれば5%の割引に繋がります。それにより周辺のビジネス街の経済効果も促進し……」
レイナ「足長いねー」
思わず聞き入っていた。そうだ。こんなヤツの話聞いてる場合かよ。
ほーん。ランドカジノね……。
賭場ができるってのは嬉しいが、政治には興味はない。
そんな事よりそろそろ一時間経つし……うっし!
レイナ「ん、マーサーどこ行くの?」
正明「釣り」
レイナ「えええええ、ずるーい! レイナもするー!」
レイナ「ってな具合にレイナが釣れたよー!」
こいつノリは百点だよな。


