バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

第十二話『ゴミ袋を乗せた豪華客船』1/6

◆【港】
正明「でけえ……」
思わず言葉が漏れてしまう程。大迫力というか、うん。でけえ。

静かに停泊する一隻の豪華客船。
白く滑らかな船体はまるで海に浮かぶ要塞のように堂々とそびえ立つ。
そう。そびえ立つと言う表現が適切なほどに巨大な船。

事の発端は数日前。
WSOPについて木葉に聞きたい事があったのだが旅行中だと高橋さんにあしらわれ、別の日にと呼ばれたのが今日。
船に乗せてあげると伝言があったので、夕飯目当てにスケスケからクーラーボックスと釣り竿を持ってきたのだが……。


正明「……」
この船はおそらく、漁船でもなくボートでもない。
正明(船の知識はないが、多分これ空母とかそういうヤツじゃねーの? 知らんけど)
名前を書いてデッキに上がるとそこに居る人達の姿を見てイラつき度が増す。

何故かと言うと、この前と同じく周囲には多国籍人種と高級スーツ。女性もドレスや着物を纏う者も。
もうなんつーか高いスーツってのは見るだけでわかる。

で!

はいこれ、重要です。
竹原君はというと防寒バッチリの黒いダウンジャケットで。テカリ具合からしてもうゴミ袋というかゴミにしか思えなくなった(2回目)

高橋「マーサー何しに来たんだ?」
正明「……」
そう言う高橋さんはいつも通りの黒服であるものの、ちゃっかりいつものより高価な身だしなみなのはわかる。
高橋「沖釣りにしちゃ竿弱いぞ。チヌかカサゴ狙いか? にしては柄杓(ひしゃく)もねーしコマセもねーだろ」
何言ってんだよこいつ。

高橋「これ借り物だろ。ナイフあるか? あと初心者はビニール袋と手袋用意しろよ。あー、ったく。ちょっと待ってろ。揃えてきてやる」
正明「……」
無駄に良い人アピールをされたのも耳に入らずただ目の前のデカさに呆然と立ち尽くす。

風雪木葉と船に乗る。
知り合いもいくらでも呼んでいいと言われた。

共通の知り合いである斬は用事があるためパス。
スケスケはこういう表の場には来ない。
望代? あ、あ、全然知らない人です。


となればせっかくの機会なので、
千尋「なんですかその格好」
正明「……」
選んだのがこいつ。

既にポーカープレイヤーとして動き出し、厄介な件にも巻き込まれた。
よって早急にこいつを懐柔する必要がある。

で、まあ船の上で木葉に紹介してだな。適当に口車に乗せて……とか思って残りの時間はマグロ釣って……
千尋「……」
千尋「釣りができる男の人ってかっこいいですね」
殺すぞデス女。

ああ……ムカつく。流石に木葉が船つったから足で漕ぐアヒルとかじゃなく、漁船だと思ったが、これもう空母じゃねーか。

しばらくして高橋さんが戻ってきてから、船の中へ誘導された。

しおり