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第八話『曲者、千田千尋』2/4

親友である竹原正明。マサと呼んでいる彼の下駄箱にラブレターが数枚入っていた。

興味本位で中を見ようと強奪してしまったものの、結局の最後は良心の呵責にさいなまれ、返してしまった。

素行不良な正明が職員室に居る。
呼び出しされても絶対に行かない。そして呼び出す事もなく諦められている竹原正明が職員質に居る。

これはもう、ラブレターの返事を書くため名簿を漁っている以外他ならない。

斬(せめて封にイニシャルでも書いてあればなあ……誰なんだろう)
斬(マサの容姿は抜群だ。贔屓目(ひいきめ)抜きにもかっこいいと思う。よく声もかけられるみたいだし、うん。言いたくないがイケメンだと思う)
斬(でも中身は腐ったドリアンだ)
斬(校外の生徒は入れないから、恐らくは別塔の子……)
斬(マサは別塔に行くのか。もしくは住所に直接足を運ぶのか……)
斬(え、家? 直接って、いや、それは、それは……)
一度首を振って思考をリセットさせる。

斬(マサの事だ。相手の財布から金を抜いたら財布事女を捨てるに決まってる。そんなのは絶対に止めないといけない)
斬(でももし、相手がとってもお金持ちなら……)
斬(うう……ボクはどうすれば……!)


正明「……あん?」
待て。
千田千尋、つーのが、この学園生、だと?
正明「……」
それってオレにとってめちゃくちゃ都合悪くねーか?
「ポーカーのカモを作る」「そいつらを巻き上げる」
当面の目標であるこの二つが達成された時、当然ポーカー内において千田千尋にオレの名前は伝わる。
同じ学園の、千田千尋に。

正明「……」
やろうと思えば、オレの情報を提供するだろう。
つーかそんなの知らなくても、学園さえ言えば今みたいに帳簿出せば住所を簡単に特定できる。

名前も。年齢も。住所も。


チッ……!
こりゃ面倒くせえな。
ってなると、千田を飼いならす必要がある。

●【選択肢022:千田千尋を手懐けるとすると……】
A.オレの女にする
B.木葉を餌に釣り上げる
C.勝負する

●A.オレの女にする
誰が人気NO1イケメンホストやねん!

●B.木葉を餌に釣り上げる
恐らく目的はWSOPのチケットだろう。もしくはそれに相当する他の何かか。
バカ。そうじゃない。こっちがすり寄っても足元見られるだけだ。

●C.勝負する
黙秘をかけて勝負……なーんて、白黒ハッキリさせる信用はねーな。
実力は抜きにして、あんな金の匂いに集る蝿と真っ当な条件で勝負なんてありえない。

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ポーカーなんて興味ない前提なら、あいつは麻雀を知らないから一方的に向こうが譲歩するはず。
正明「……」
もししなかったら?

可能性としては、既にお目当てのWSOPのチケットを手に入れた場合。
そうなれば"木葉の友達の竹原正明"は用済み。媚びる理由もなくなる。

あの女は今、どういう状況なんだ……?

正明「……」
思考する。

1.ポーカーに興味ない
2.千田に興味ない
それらの条件で別棟に足を運ぶ必要がある。
正明「……」
オレがそれらの条件で別棟に足を運ぶ理由……。

戦略を組み立てて……よし!

斬(スゴイ。考えてる。マサでも異性相手に緊張なんてするのかな…)
斬(動いた……!)

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