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第十話『こんな大人になってはいけない!』1/2

◆【おっぱぶ】
正明「YO! YO! YO!」
近藤「Yey! Yey! Yey!」
ミラーボールの中で男二人の爆笑はバカでかいアンプの音にかき消されていた。

正明「すげえ! おっぱいすっげ! これなにカップ?」
美香「Hで~す」
正明「ひゅぅ~、えっちー!」
近藤「WOW! WOW! WOW!」
スタッフ「近藤さん弾けすぎ」

テーブルの上で踊り出す近藤さんに負けじとこちらも参戦。
正明「おらカモンおっぱい!」
ご自慢の美香ちゃんもそこに招くと、他の客からも丸見えの位置でおっぱいを弄りまくる。
正明「やあああああああああ!!!」
近藤「わあああああああああ!!!」
飛んで跳ねて滅茶苦茶やって他の客からも疎まれる視線を感じるが、こいつ自体が店の人間なんでまあ大丈夫だろう。

正明「こっちにもキスマークつけてー。ここもー。ここもー」
正明「あ、口はやめて。今日コーヒーとにんにく食ったから、口はダメ。ダメ。ダメだけどおおおおおぉぉぉぉぉ」

正明「今度いっぱいいっぱいチューしようねええええええええ!!!」
近藤「近藤いっぱいいっぱいチューしようううううううう!!!????」
正明「ぎゃはははは!」


店から出る頃にはもうベロンベロンだった。
正明「あー、気持ちいい。気持ちいいー。ひはははははは。世界回ってんじゃん」
近藤「あー、やべ。俺オフなのに店来ちゃったよ」
近藤「おいガキ。三軒目行くぞ」
正明「あー、待って待って、歩けない。あー……」
千鳥足のまま一般のお客さんにぶつかる。

正明「あー、すみません、すみません。おっぱい揉みまくって幸せさーせん。あははははは!」
男性「……」
正明「あー、でもやっぱすっげえな。オレもセフレいたけどさ。ぜんっぜんちげー。Hカップってやべーのな」
近藤「あっはっはっはっは。セフレかー。いいなー! 何カップ?」
正明「Aカップー。近藤さんのセフレはー?」
近藤「スーパーカップ!」
正明「ひゃははははははは! アイスじゃん!」
近藤「はははははは!」

男性「……」
正明「あーあ。お。小便! おしっ……お花摘みー!」
近藤「おう行って来いブラザー。ってフラワー!?」
正明「ははははは!」
あー……っと。
角を曲がったところで、タバコに火を点ける。

正明「さて……」
財布の中身を確認する。ここまでで5,000円余る想定だったが、中身は2,000円。
ちゃっかりHカップのクソ女が一杯3,000円の酒を頼みやがった。
正明「チッ……」
クソが……あー、まあいい。ここは想定内だ。
一軒目は近藤さんに奢ったんだ。三軒目行くなら流石に年長者が出すだろ。つーか出さなきゃいかねーし。

正明「ッハ」
まー、とは言え。
雀荘通いでオレを知っていて、かつWENS行ってるらしい客へのアプローチは十分か。
あとはスリーセブンのイケメンが金遣いの荒いカモだと風潮してくれりゃあ良いが……そればっかは願うしかねーか。

まあこりゃおまけだ。実ればよし、萎んでもしゃーなし。
後は通行料、近藤さんとの飲みで何回かは見逃してくれるだろ。
その何回か。恐らく2,3回で、カモアピールと敵とコンタクトを……。

近藤「うおーい相棒! おしっこしっしー!」
正明「しっしー!」

しっかしこいつも30過ぎてしっしーとか人生終わってんな。

近藤「この後はどこ行くどーこ行くー?」
正明「どこでも! どこまでも! 地球の裏側まで! 1,000円まで付き合いまっせ!」
近藤「おっしゃー! じゃあたまにはお兄ちゃんが出したるわい!」
正明「あざーーーーっす!」

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