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第二話『西暮の日常と巡回』2/4

◆【雀荘猛虎牌】
ある所にドリンクバーと漫画が充実している画期的な雀荘がある。
なんでも、待ち時間は好きなだけ時間を潰していいという夢の様な場所である。

大学生1「ロン」
大学生2「ぐあー、やられた」
大学生2「うわ、もうダメ。時間ないしお金ないからもう抜ける」
大学生3「えー、あと1回ぐらいいいだろ」
大学生2「ムリムリ。次な」
大学生4「うーん、打ち足りないけど、しょうがないか」

ってな感じで都合よく卓が空く。空いたのは、フリー打ちを採用していない雀荘だ。

大学生1「ねえ。キミ、もし暇なら一緒に打たないかい? 一人足りないんだ」
大学生3「お願い! 場所代は持つから、人助けだと思って」
ってな感じで気さくに話しかけられる。

店主「……ゴホン」
ってな感じで都合良く店長がカウンターに戻ってきて気まずさを増す。

正明「はあ……その、そんなに麻雀強くないですが、わかりました。いいですよ」
ってな感じでその場の雰囲気に流されてオッケーする。

大学生1「ごめんね。レート低いし場所代も安いから面倒だけど手積みなんだ」
ってな感じで賭ける前提で手積み卓に座らされる。
正明「全然大丈夫ですよ」


大学生1「ポン」
大学生3「チー」
大学生4「ツモ!」
ってな感じで三人仲良くコンビ打ちをする、と。
正明「あはは、強いですねー」
大学生1「レートは安いから安心して。あ、チップの説明してなかったね。一枚500円だから安心して。一発、赤、海底は1枚。オールスターと役満は5枚ずつだよ」
正明「あ、じゃあこの場合ツモなのでチップ5枚なんですか」
大学生1「本当だよ。こいつ運良すぎ」
大学生4「あはは、悪いな」

コロコロと振られたサイコロは3。こちらの山から配られる。
正明「あ、お母さんから連絡だ。写真送ってって、うわあ、またかあ……」
大学生3「え、なにマザコン?」
大学生4「バカ。親は大事にするもんだろ」
卓の上。携帯を見せながら連絡入れる。
正明「あはは」

ピースをして自撮り決める。ポーズが決まらないからと何度かシャッター音を鳴らす。
正明「あの、ハコ下はなにかありますか?」
大学生3「ウマはないから安心して。ただ、点数がなくなったら-10,000点だね」
大学生4「他になにかあるかい?」
正明「それじゃあ、ダブル役満とかトリプル役満とか、あとパオ(責任払い)とか」
大学生4「どっちもあるよ。役満祝儀は一人1万。ダブルとかもし出れば2万だけど、パオでツモられた場合祝儀三人分だから3万円だね」
大学生3「そうだなー。後から揉めそうだし、半荘ラスト3回って決めとくか」
正明「あはは」


ってな感じで――
――いい加減殺すか。


次局へ、山を作り親の正明がサイコロを"置く"。目は2。
配牌を開ける。

正明「あれー、すごい。こういうのってあるんですね」
正明「――64,000オール」
大学生1「え?」
正明「天和、四暗刻、字一色、大三元」
正明「チップは20枚オールと4万円オール。おまけのハコ下10,000円」
大学生3「ばっ――バカかっ! このイカサマ野郎!」
正明「あ?」
大学生4「あ、って。出るわけないでしょ。そんなの」
正明「出たろ、ほら」

パシャ。写メに収める。
正明「払えよイカサマ三兄弟。証拠も取れたぜ?」
大学生3「ふざけるな!」
正明「安心しろよ。大丈夫だって」
正明「半荘ラスト3だから、あと2回あるんだろ?」
大学生3「マザコン野郎が!」

牌をなぎ倒し、激昂しながらこっちの顔面めがけた拳が――届くことはなかった。

△【イベントCG004・相棒の名は四光院斬】
斬「……」
オレの真後ろに座っていた人物が向けている。刀の切っ先を。

大学生3「……ッ!」
正明「選べよ三下。オレは別に乱闘でも中断でも続行でも、なんだっていいんだぜ?」
大学生1「お前……スリーセブンだな?」
斬「プッ」
大学生4「うえ!? ってことは、イッツーのジャン!?」
正明「ガハハハハ…痛ッ! ぶっ殺すぞハゲ!」
正明「あ、痛ッギャアアアアアア! 違う! 違います! 今のは言葉の綾です!」
大学生3「……」

正明「あー、マスター。こいつらに金貸してやることってできる?」
店長「ああ。問題ない」
大学生3「……ッ!」
正明「ってなわけで種銭は大丈夫だぜ。どうする? オレは3VS1のままでいいんだが?」
正明「手積みならな」
大学生3「……」
大学生3「自動卓だ」

正明「二対二でいいな?」

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