第一話 転生
おいらの前世の名は
この後漢末期の数百年後の東にある島国から転生して生まれ変わった。
前世ではおいらは
合戦や築城、国の統治で手柄を得て、また、病で死ぬまでに、あらゆる知識と経験を学んだ。
例えば戦術、戦略、謀略、築城術、武芸、忍術、馬術など限りが無い。
全て真田家を守る為………。
だが、
二度も
結果的に天下分け目の
そして転生して生まれ変わったら、何と農民の息子………。
ただし、名が気になる………。
何と三国志で、
今は荊州の襄陽で口減らしとして、食うに困って地主の言いなり通りに田畑を耕しているが、まだ、おいらは生まれて五歳なので、僅かな穀物や樹の実、山菜では空腹で身体も小柄だ。
そこで、前世で九州に滞在していた時に屈強な
何故なら、六年後、魏の
あの中華一の軍師、
そんな事を考えながら満月の明かりを頼りにして、深夜に新野の城を
まさか! 狼? 虎? 新野の警備兵か?
「ほっほっほ。こんな小さな童が城の地形を竹簡に書いているとは中々見所がある」
おいらは懐の布袋から石を握り、怪しげな白髪の老人に投げ付けようとした時。
「待て待て童よ。驚かした事は謝罪しよう。儂は
心の中で鄧艾は興奮を抑えるのが大変だった。
何故なら、前世の時、主君
「おいらの名は鄧艾にございます。あの高名な司馬徽様とは知らずお許し下さい」
と草の地面に額が付く位に平伏した。
「これこれ、頭を上げよ。そなたは童だが、儂の弟子にならぬか? 学びに来るだけで食事や銭を与えても良い。そなたにはそれだけの価値は有る。儂は平和な荊州を戦乱から守り、いつか中華から戦乱を終わらす為、才の有る者達を集めて私塾を開いているのだ」
「司馬徽様。是非、弟子にして下さい。お願いします」
「よろしく頼むぞ鄧艾。それと司馬徽様では他人行儀過ぎる。皆、
「はい。水鏡先生」
心の中では劉備の軍師三人に会うのが楽しみだと思い始めていた。