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探索

翌朝、目が覚めてから暫くした後、ようやく昨日のことを思い出して少し落ち込んでいると、
ふと窓の方を見てみると、そこには見知らぬ女性が映っていたんですが、
誰なのかわからないまま取り敢えず朝食を食べてから村に出ることにしました。
そこで村長に尋ねてみると、どうやら俺が昨日倒した魔王のせいで世界が破滅に向かっていると言われたんだ。
何でも魔界に住む魔族達が暴走して地上世界に進出してきているようで、
このままでは大変なことになってしまうと言われていたのだが、
そんな話を聞かされても俺にはどうすることも出来なかったので無視してしまいました。
ただし、今後一切魔王達に関わらないようにしろと言われてしまったことで余計にムカついてしまっていたのです。
そんなこともあって気分が悪くなっていた俺ですが気分転換したいと思っていたところだったので、
偶然立ち寄った場所で出会った女性と意気投合したんです。
彼女とは、色々な話をして盛り上がることができて楽しかったので嬉しかったです。
彼女の名は、リリンと言います。
彼女曰く、彼女は治療師をやっていて薬を作って売ったりしているんだそうです。
しかも、最近魔王軍にやられそうになった時に助けられたんだけど、
その時に見た光景が凄く格好良かったという話を聞き、どんな話か聞いてみると驚くような内容だったんです。
なんと彼女が遭遇したのは俺を一撃で倒した最強の剣を持つ剣士で、巨大なドラゴンから降りて来ただけでなく、
その正体は人間ではなく魔性の者だったことを知りました。
その事実を知った瞬間、俺は胸が高鳴るのを感じてしまいました。
そこで考えたのですが、このまま逃げるかそれとも立ち向かうかを決めようと思っていました。
そんなことを考えているうちに彼女は死んでしまいました。
正直言って残念でしたが、仕方がないことだと思いますので諦めて帰路につくことにしました。
数日後、俺はある情報が耳に入りました。
何でも魔王達が住んでいる城が壊滅したということで、生き残った奴らは散り散りになって逃げているそうです。
しかも、その原因となったのが、異世界からやってきたという勇者達とのことでした。
俺は、すぐに旅支度を整えて彼らを追いかけることにしたのです。
しかし、彼らは既に旅立ってしまっていたらしく結局、会うことはできませんでした。
それでも諦めずに探していると、ある日突然連絡が入ったのです。
なんでも近くに住んでいる人たちから話を聞いたのですが、
どうやら賢者様が俺を探しているということを聞いたんです。
これはチャンスだと思い早速行ってみることにしました。
そうすると、そこには、年老いたお婆さんがいて俺に声をかけてきたんです。
話を聞いてみると賢者様の居場所を知っているとか言っていたんですが本当かな? と思ったけど
せっかくだし行ってみることにしました。
その場所は、お婆さんが住んでいる場所であり、どうやら俺を待っていたようです。
そして、彼女に案内されるままついていくと、大きな洞窟の前に着きました。
そこには、巨大な穴が開いていたんです。
まるで巨大な怪物でも住んでいそうな感じの穴でした。
穴の奥を覗いてみると光が見えないので何も見えない状態でしたが、そのすぐ近くにある穴から光の玉のようなものが現れました。
よく見てみると精霊のようでした。
この精霊が俺に何かを伝えようとしているようでしたが聞き取ることができませんでしたので困り果てていると、
突然眩いばかりの光に包まれてしまいました。
その後、気を失ってしまったみたいですが目を覚ますとそこには、見覚えのある光景がありました。
どうやら魔王城の前に戻ってきたみたいです。
信じられないという気持ちでいっぱいでしたが、それが現実なんだとわかりました。
何故なら魔王城は崩れ去っていたからです。
実際に見てみると瓦礫の山になっていて建物の原型すら残っていなかったのでした。
それでとりあえず落ち着いた後、周辺を調べてみたのですが何一つ手がかりを見つけることは出来ませんでした。
ただ不思議なことに私の前に現れた精霊の姿は何処にもなかったんです。
とにかく一旦この村に戻ることにして引き返そうとしましたが、何故か戻れなくなっていたのです。
もう一度試みましたが、失敗に終わりましたので諦めて安全な場所を探すことにしました。
暫くの間探索を続けているうちに遂に見つけたんですが洞窟の中でした。
しかも中から何か聞こえてくるような気がしたので、恐る恐る覗いてみるとそこには巨大なモンスターがおり、
俺を見てニヤリと笑っていたんです。
あまりにも恐ろしい姿をしていたものですから怖くなってしまって腰が抜けそうになったんですが、
それでもなんとか耐えてじっとしていたらそのまま立ち去って行ったのです。
ほっと胸をなでおろしていましたが、ここにいては不味いと感じた俺は、急いでその場から離れようとしました。
そうすると突然目の前に巨大な魔法陣が出現してその中から先程のモンスターが現れたのです。
しかも今度は二匹も現れてきて、完全に退路を塞がれてしまいました。
絶体絶命のピンチに立たされてしまった私でしたが、
それでも逃げ出そうと必死に走り回っているうちに疲れ果ててしまい意識を失ってしまったのです。
目を覚ますとそこには、先ほどの巨大な魔法陣が存在していてその中には先程倒したはずの魔物達の姿が確認できました。
逃げようとしても時すでに遅く再び襲いかかってきたのです。
(もう終わりだ……)
そう思った瞬間、今度は、身体から光り輝く物が出てきたかと思うと私の全身を包み込んだかと思うと
凄まじい力が湧いてくるのを感じたのです。
その力によってどうにか魔物達を倒すことができましたので何とか命拾いすることが出来ました。

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