エコだから
村の近くの山が削られ、巨大なソーラーパネルが並べられた。村には、その土地を提供したことで、国から補助金が出て、村おこしに使えると村長は自慢していた。が、その辺りは豪雪地帯で、ふりつもった雪で設置したソーラーパネルは冬場、まったく役立たずで、採算がとれるのか、疑問視され、夏場ようやく雪が溶けて、発電が期待された矢先、梅雨の大雨があり、木々を削ったせいで保水力が失われた山が音を立ててソーラーパネルごと崩れて、一晩でその村は消えた。まるで山の神の怒りにふれたように。
その後、そこには小さな祠があって、ソーラーパネルの設置業者がきちんと別の場所に移さず、祠を勝手に廃棄したという噂が流れた。