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死んでもいい

「浮浪者なんて、社会のお荷物だから死んでもいいと思っていた」と、被害者に暴行をくわえて捕まった少年たちは自供した。
「当たったら、死ぬかもしれないと思っていた」捕まった当初は、相手が死ぬかもしれないことを自覚していたことを供述していたが、いざ、裁判が始まると、「殺すつもりはなかった」と言い出し、「ちょっといたずらで脅かすつもりでコンクリートの塊を投げた。当てるつもりなんて全くなかった」と殺意を否定し出した。見苦しい言い訳なのは、誰もが薄々感じていたが、犯行時、未成年ということもあって、彼らの刑期は短く、四十になる前に出所した。だが、殺人者の家族と罵られていたので家族とは絶縁状態で、出所しても、今度は彼らが浮浪者となり、数日後、撲殺死体で発見された。
犯人として捕まったのは少年たちだった。彼らはネットを通じて知り合い、そして、過去にあった浮浪者襲撃事件を知り、その加害者が、刑期を終えて無事に出所したと知って、ひとを殺しておいて、のうのうと今も生きているなんて許せないと義憤で襲撃したという。だが、少年法は改正されていて、犯行当時未成年でも重い刑を受けられるようになっていて、しかも、彼らの襲撃には計画性があり、相手に執拗に暴力を振るった跡があり、捕まった少年たちが、四十前に出所できるかは不明だった。

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