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死人電話

昔から、世界中で幽霊という存在は認識されていた。だが、それを科学的に証明し、意思疎通を図ることは科学の力では無理とされていた。しかし、微細な電気振動や、昔から知られている魂などを科学的に解明できるようになってくると、幽霊と呼ばれる存在を科学的に観測することも可能になり、ついに、霊能力者しかできないとされていた幽霊との会話ができる機械が発明された。それは、最初、事件事故などの被害者から事情を聞くために使われ、迷宮入りになりそうな事件や事故の解決に役立った。
そして、死んだ人と会話したい人は多く、民間でも使えるように研究開発が進み、まるで幽霊と気軽に電話で話すような機械が開発されたが、すぐ販売中止になった。なざなら、死者は生者を妬むものであり、「こっちへ来いよ」という通話が多いからで、死者と会話して自殺する者が後を絶たなかったからである。

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