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オンライン告げ口

彼女があまりにも彼の陰口を言うので、私はリアルタイムで彼に実況してあげただけだった。嘘も誇張もしてない事実のみを伝えただけだ。
「ちょっと、あんた何してくれるのよ」
彼女は憤怒の形相で私に迫ってきた。
「このまま私たち別れたら、どうしてくれるのよ」
「いや、だって、彼の悪口さんざん言って、別れようかなって自分で言ってたじゃない」
「言葉の綾ってやつよ。本気じゃないわよ、とにかく、どうしてくれんの」
「別れるだけなら、いいじゃない。私としては、こじれてふたりで殺し合って欲しかったんだけど」
「あ、あんた、何言ってるの」
「前々から、あんたたちうざいと思ってたの。あんた、彼氏がいる自分の方が上って無意識に思ってたでしょ」
「そんなこと・・・」
「あと、彼から連絡あって、やっぱり、あんたを絶対に許せないっていって、あんたの実家の住所を聞かれたから、ちゃんと教えておいたから。そう言えば、元彼に家族を殺されたなんて殺傷事件、数年前になかったっけ」
「あ、あんた・・・」
「急いで、実家に帰った方が、いいんじゃない?」

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