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オンライン自殺

私は、自分が正しいと思った客観的な意見を書いただけなのに、死ねというひどいコメントが一杯ついた。最初は一つ一つ丁寧に反論していたが、ネットの世界の住人は揚げ足取りのように難癖をつづけ、その数も増殖していき、反論するのが面倒臭くなったので、ネットの奴らのために生配信で、私は、首つりの準備をするところから配信してあげた。
どうせ、自殺なんかしない、はったりだと、私のことを案じてくれる書き込みは一切なく、私が椅子を倒してブランと天上から垂れ下がっても、どうせ手品だインチキだ死んでいるわけないと、しばらく私を批判する書き込みが多かったが、ただぶら下がっている遺体の映像が、長々と配信されているのにおびえ始めて、徐々にコメントがなくなり、私が本当に死んでみせることで、私に「死ね」と書き込んだアカウントの多くがこっそりアカウントを消して姿を隠すか、大体はおとなしくなった。だが、肉体をなくした私は、ネットに漂い、「死ね」と書き込まれたぐらいで本当に死ぬ方が悪いと、言い逃れをするクズアカウントのところに化けて出てやった。
ネットでつながっている以上、私に「死ね」と書き込んだ相手の元に辿り着くのは容易だった。
すると、化けて出られた奴は、ネットに化けて出られた、どうしたらいいとネットに救いの手を求めたが、「知るか」「今度はお前が死ぬ番だろ」と冷たくあしらわれ、また自分が「死ね」と書き込んだ相手が本当に死んだなんて、ネットの外で誰にも相談できずに、亡霊の私に恐怖して死んだ。

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