あの本のせい
漫画やアニメのせいで、犯罪が増えるから、漫画やアニメは規制するべきだと、本気で考えている人たちがいた。そして、連続通り魔の犯人が、ある漫画を読んで、自分が不幸なのは、他人のせいだ。自分が幸せが他人に奪われている。
だから、他人を殺せば、その分、自分に幸運が、戻ってくると思ったと、漫画に影響を受けたせいだから、自分は悪くないという自供をした。裁判でも、その主張を続けて、何人も殺したのに、極刑を逃れようとして、実際無期懲役になった。
そして、大人しく服役し、髪が白髪になり、模範囚だったので、老衰する前に出所した。もう誰も彼の事件を覚えていないと思われたが、その事件の詳細を描いたノンフィクション小説を読んだ読者の青年が、これで、極刑にならないのはおかしいと、出所した犯人を襲って殺した。当然、青年は捕まったが、そのノンフィクション小説との出会いは運命で、その本に影響されて、犯人を殺害したことは、後悔していないと、堂々と自供した。