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雪男ハンター

「この辺りに雪男はいるはずなんだ。儂は、間違いなく奴の足跡を見つけたんだ」
「熊かなにか、別の動物の足跡と、見間違えたんでしょう」
「いいや、あれは、熊なんかじゃねぇ、この儂が、見間違えるもんか。何年奴を追いかけてると思ってる」
「わ、分かりましたから、まずは、その足跡を見せてください」
「あ、いや、その足跡だが、雪が解けて・・・」
「もう、ないんですか」
「あ、ああ・・・」
「ご自身で、写真は撮らなかったんですか」
「以前、撮ったのならある」
「以前、ですか」
「なんじゃ、やっぱり、信じぬと。奴の犠牲者が出てからでは遅いぞ」
「いえいえ、信じますよ、大事な山神様です。ご存知でしたか、あの山は神聖な場所でして、余所者に勝手に出入りされたら迷惑なんですよ。それが、あなたの方から、こちらに来ていただいて、助かる」
「あ、あんたらは・・・」
「神隠しを山神様のせいとお考えのようですが、実は、あの山の神域を守っていたのは、我々でしてあなたもお帰しするわけには・・・」
「き、貴様・・・」

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